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WBC、背中に死球で大騒動に!“マナー違反”のバント安打にメキシコが報復、日韓戦も間一髪だった?

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 10日に東京ドームで行われ、侍ジャパンが「13-4」で勝利したWBC1次ラウンドB組・韓国戦。「1番・中堅」で先発したヌートバーが死球を受けたシーンが話題となった。

 ヌートバーは6回裏無死一、三塁の場面で韓国3番手のキム・ユンシクから背中に死球を受けたが、キムは特に謝るそぶりを見せず。ヌートバーはバットを右方向に放り投げながらキムをにらみつけると、視線を外さないまま右足の防具を外し一塁へ歩いた。

 >>WBC、韓国投手トラブルは「大谷翔平に死球予告」だけじゃない? 17年前の疑惑シーンは警告試合に発展!<<

 場内の日本ファンからブーイングが起こったり、試合後に韓国メディアがヌートバーの態度を批判したりと話題になったこの死球シーン。今回の試合ではその後両チームがアクションを起こすことは特になかったが、過去のWBCでは背中への死球をきっかけに大乱闘が勃発した試合もある。

 問題の試合となったのは2013年大会中の3月9日、アメリカのチェイス・フィールドで行われた1次ラウンドD組・カナダ対メキシコ戦。9回表開始前時点で「9-3」とカナダが大量リードを奪っていたが、そのカナダは9回表に先頭打者がセーフティバントを仕掛ける。野球では大量リードしているチームは終盤のバント・盗塁を慎むべきという不文律が世界的に認知されていることもあってか、メキシコ側は全く対応できずに一塁出塁を許した。

 すると、メキシコ側はこのバントに激怒したのか、マウンド上のレオンが打席のトソニに体スレスレの直球を2球連続で投げ込む。これを見て球審は両チームに警告を与えたが、レオンは全く意に介さずに3球目をトソニの背中へ。トソニはそれまで2球はレオンをにらむにとどめていたが、背中にモロに死球を受けたことでついにブチギレ、マウンドに詰め寄った。

 この直後、グラウンドになだれ込んできた両チームの選手らがマウンド付近へ殺到し、押し合いへし合いの大乱闘に発展。人の輪の中心だけでなく、輪の周囲でも1対1の“タイマン”で相手とつかみ合いになる選手が相次いだ。

 場内からどよめきやブーイングが上がる中行われた乱闘は約2分後に沈静化したが、審判団はレオン、トソニを含む7名を退場処分に。この後、試合はカナダが1点を追加し「10-3」で勝利した。

 不文律破りが死球、そして乱闘へとつながった同戦だが、試合後の報道ではカナダのウィット監督が「普通の試合ならバントはしないが、1点でも多く稼ぐ必要があった」とコメントしたことが伝えられる。2013年のWBCは1次ラウンドで勝敗が同じチームは得失点率により順位が決まるルールだったため、大会初戦のイタリア戦に「4-14」で敗れていたカナダは1点でも多く得点が欲しかったというのが事の真相だった。

 だが、カナダは1勝1敗同士の対決となった翌日の第3戦・アメリカ戦に「4-9」で敗れ、1勝2敗で1次ラウンド敗退が決定。また、メキシコは前日カナダに敗れた時点で1勝2敗での敗退が決まっており、大乱闘を演じた両チームはどちらも2次ラウンドに進めないという結末となった。

 今回死球を受けたヌートバーは試合後のヒーローインタビューで「ちょっと凝ってたところに当たったのでちょうど良かった」とジョークを飛ばすなど死球を笑い話にしてみせた。ただ、にらむだけでなくマウンドに詰め寄っていた場合は、10年前のような乱闘が勃発していた可能性も決してゼロではないだろう。

文 / 柴田雅人

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