「中国戦後、栗山英樹代表監督の口から韓国戦(第2戦/3月10日)の先発がダルビッシュ有投手だと告げられました」(スポーツ紙記者)
緊張感の原因は、その「韓国戦」にあった。
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3月9日、侍ジャパンの試合は午後7時に始まった。同日正午、同じ東京ドームで「韓国対オーストラリア」の試合が行われ、一次リーグの最大のライバル国である韓国が敗れるという“ハプニング”が起きたのだ。
「一次リーグで2敗したらマズイですよ。決勝リーグ進出が出来なくなります」(関係者)
韓国代表が第2戦で「総力戦を仕掛けてくるのではないか?」と、侍ジャパン側は予想していたのである。
「ダルビッシュの状態? 分かりません。ぶっつけ本番でマウンドに上がるのは大谷翔平選手だけではありませんから」(前出・同)
同日のダルビッシュだが、試合前の練習では“ほぼ単独行動”。軽めのランニングをし、後はキャッチボールだけでロッカールームに引き揚げている。
「先発投手の前日調整」であり、栗山監督もかなり前の段階で「韓国戦の先発」を告げていたのようだが、“ぶっつけ本番”はちょっと気になる。
「2日の中日との合同練習で、ダルビッシュは打撃投手として投げました。実戦形式の投球はこれだけです」(前出・スポーツ紙記者)
しかも、その時のダルビッシュは中日・岡林勇希選手の右ヒザ付近にボールをぶつけている。その後、ピッチングを立て直したが、しばらくの間は浮き足立っている感も否めなかった。
一方の韓国だが、投手起用法は侍ジャパンとは対照的である。
韓国代表のイ・ガンチョル監督はオーストラリア戦前、共同会見に臨み、10日の侍ジャパン戦についても質問されたが、最後まで先発投手を明かそうとはしなかった。「素晴らしい先発投手がいないので、こうせざるを得ない」「隠しているのではなく、勝てる投手をオーストラリア戦につぎ込みたいからだ」というが、隠されるとブキミである。
「昨季韓国リーグで11勝を挙げたク・チャンモ投手か、期待の若手であるイ・ウィリ投手が予想されています。両投手とも、7日の阪神との強化試合に投げてきましたが、内容は良くありませんでした」
侍ジャパンをサポートするNPBスタッフがそう言う。(注・オーストラリア戦後、イ監督は左腕、キム・グァンヒョン投手の先発を発表)
一般的に韓国球界は「打高投低」とされるが、各投手とも左のオーバーハンドであり、平均球速が140キロ台後半だという。
中国戦と同じオーダーで臨むとすれば、巨人・岡本和真選手を6番に下げたため、1番から5番まで左バッターが続く“偏重打線”だ。もっとも、大谷翔平選手は左投手を苦にしない。4番・村上宗隆選手のバットからまだ快音が聞かれないのは気掛かりだが、韓国代表の好左腕を打ち崩せば、一気に勢いづくだろう。
韓国戦はダルビッシュの経験値と「対左投手対策」がポイントとなる。(スポーツライター・飯山満)