プロレス好きが高じて団体入りした芸人もいた。鉄拳だ。スケッチブックを持ち、自筆のイラストをめくるフリップネタ。12年にパラパラアニメ「振り子」を発表すると、海を超えてメガヒット。泣けるお笑いアニメーターとして、世界で有名になった。
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漫画は10代からの趣味で、受賞経験もあった。しかし、プロへの道を断念して、高校卒業後は大仁田厚率いるプロレス団体「FMW」に就職した。選手としてオーディションを受けたが不合格で、レフェリーとしておよそ6カ月働いた。入社のチャンスを与えてくれたのは、昨年5月に58歳の若さで急死したターザン後藤さんだった。
同じく、プロレスに近い距離に身を置いたのはチャンス大城。狭小の劇場で数人、数十人の観客を前にネタをし続けた“元祖地下芸人”。四半世紀以上も地下に潜っており、看板持ちや肉体労働ほかさまざまなバイトをしたなかに、ライブ劇場のドリンクコーナーがあった。
「都内の新宿歌舞伎町のド真ん中にある新宿FACEという劇場です。女子や男子プロレス、格闘技が盛んに開催される都心のメッカ。試合中はドリンク提供がほぼないので、タダ見ができるというわけです。推しているのは、センダイガールズプロレスリングのエース選手であるDASH・チサコさん」(元プロレス誌関係者)
芸人とプロレスの世界は縁深く、90年代中盤には吉本興業が女子プロレス団体「Jd'」を旗揚げ。ジャガー横田や元クラッシュ・ギャルズのライオネス飛鳥といった大物を投入したが、尻すぼみのまま運営は停止された。現在は松竹芸能が「2point5」という女子プロレスをYouTube中心で配信・運営している。
今後も、双方のタッグマッチは見られるだろう。
(伊藤由華)