ファイナルステージに進む阪神を揺さぶるような“怪情報”が飛び出した。ファーストステージで敗れたDeNAが、トラ救援陣のリーダーでもある岩貞祐太の動向調査を始めたというのだ。
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「岩貞は今季、国内フリーエージェント権(以下=FA)を取得しました。DeNAは今オフ、クローザーの山崎康晃が米球界に挑戦する可能性があります。三嶋一輝も病気手術があって、救援投手は一人でも多く補強しておきたいので」(ベテラン記者)
岩貞は2020年途中から救援に転向し、今季は53試合に登板するなどチームに貢献してきた。しかし、今回の「DeNAの調査」と同時に聞こえてきたのは、「あの時の長時間交渉で、何かあったんじゃないか?」との声だ。
「あの時」とは、昨年オフの契約更改。岩貞の22年シーズンの契約がまとまったのは、21年12月24日。“大トリ”の契約更改となった。
「一般論として、最後に契約する選手はチームの看板選手か、その年にブレイクした売り出し中の若手です。景気良く大型契約がまとまり、大団円になるような」(前出・同)
失礼ながら、その年の岩貞は“景気良く”の側ではなかった。
200万円ダウン、推定年俸4500万円でサインした。リリーバーに転向して2年目、個性の強いトラ救援陣のまとめ役となり、気苦労も多かったという。
「同年7月、二軍降格も味わいました。岩貞も本来ならば、先発タイプです。慣れないリリーフ登板も続き、心身ともに疲れていたと思います」(在阪メディア)
契約更改だが、球団幹部と対面した時だけが交渉の場ではない。球団スタッフがシーズン後半から選手と個々に話をして、“仮提示額”と希望年俸額を近づけようとする。
何が言いたいかと言うと、“看板選手”ではない岩貞が大トリになったのは、「仮交渉の段階でモメた」からだろう。
「リリーフ転向はチーム事情でした。救援投手が故障したからですよ。近年、ドラフトで左投手を何人も指名していますし、試合に出ていない時もチームに貢献してきたことを分かってほしかったのかも」(前出・同)
これまた球界の一般論だが、「もしFA行使したら」の一報が出た時は、「ウチは獲るよ」の意味。もっと言えば、岩貞の推定年俸4500万円はチーム10傑に入っていない。人的・金的補償も発生しないCランク選手なので、DeNA以外の球団もオファーを出してくるだろう。
「藤浪晋太郎のポスティングシステムによる米球界挑戦を認めるかどうかも、まだ決まっていません。ドラフトでお目当ての選手が獲れるかどうかでも変わってきます」(球界関係者)
CSファイナルステージだが、勢いづく阪神を警戒する声も多く聞かれた。ヤクルトの主砲・村上宗隆のところで左腕・岩貞の投入も十分に考えられる。その岩貞のFA権を巡る一報がトラの勢いに水を差さなければ良いのだが…。(スポーツライター・飯山満)