今回のカードは「棚橋と接点が持てたら」という武藤の要望が通り、武藤&丸藤正道&稲村愛輝のノアトリオと、棚橋弘至&真壁刀義&本間朋晃の新日本プロレス本隊トリオとの対戦が組まれた。会見で、棚橋は赤いバラの花束を38本抱えて登場し、武藤に手渡したが、武藤は「棚橋よ~、花束渡すんだったら、武藤イズムだったら、今話題のメイウェザーのように落とせよ。で、俺が拾うって言うさ」と時事ネタを炸裂。これには「やった方が良かったっすかね?」と棚橋も苦笑い。
かつて武藤の付き人を務めていた棚橋は「ボクは武藤さんは、生涯ね、現役でやっていくものだと思っていましたので、引退を発表された時はやはり動揺しました。ファンの時から、一番好きな選手でしたし、ご縁あって新日本プロレスに入門して付き人もやらせていただきました。若い頃、ジムに一緒に連れていって頂いてウェイトトレーニングを一緒にしたりと、そういう思い出もありますし。なんといっても昔、武藤さんとお話した時に、ベンチプレスのマックスが190キロ、ということを教えて頂きまして。長い間、その190キロを目標にしてまして。で、2014年か、2015年に190キロを一度上げました。これで、武藤さんに体格も、運動能力も、華も、ホントに追いつけなかったかもしれないんですけども、ベンチプレスだけは追いつきました!あんまり関係なかったですけども。今回ね、武藤さんの引退のロードの、試合の一つとして、新日本プロレス3名出させて頂きますので、1分1秒でも武藤さんと長く戦っていたいと思います!」と最後の師弟対決へ意気込みを語った。
武藤は「プロレスラー武藤敬司。新日本プロレスで生まれ育って、本当はね、辞める前に、最後は新日本プロレスのリングに上がりたいと思ってんだよ。ただね、新日本プロレス、競争の激しい団体なので。棚橋にノアのリングに来て頂いて、ノアの武藤敬司、査定してもらおうかなって思っております。ま、その先には、ぜひ最後ね、辞める前に新日本プロレスで戦いたいなと思ってます」と棚橋との試合をクリアした上で、古巣の新日本マット凱旋を熱望。
これを聞いた棚橋は「武藤さんの中で、新日本プロレスの中での記憶が大切に思ってもらってることもわかりましたし、そして全日本プロレス、ノアっていうね。プロレス界全体を盛り上げてきた、後にも先にも現れない、稀代のレスラーであるということは間違いないので、もうホントに全力で戦いますし。なんとかね、微力ながら新日本プロレスのリングにも上がって頂けるように、ボク、動きます」と棚橋も武藤の新日本マット登場に向けて尽力していく意向だ。
また、38本のバラの花束の意味について聞かれた棚橋は「え~。愛ですね。……ボクは、武藤さんが好きすぎるので、“プロレスLOVE”から、“愛してます”が発生して、バラに落ち着きました。ハイ。38本という数字は、38年間、お疲れ様でした、という気持ちを込めました」とネタ明かし。棚橋にとっても久々のノアマット参戦であり、今年1月に神奈川・横浜アリーナで行われた両団体による団体対抗戦で存在感を見せた稲村との対戦は注目したい。
(どら増田 / 写真©︎NOAH)