アメリカ・テキサス州でアメリカ人の21歳の男が美術館に侵入して古代ギリシャの工芸品などを破壊し、被害総額が500万ドル(約6億6341万円)に及んでいると海外ニュースサイト『Fox News』と『New York Post』、『The Independent』などが6月6日までに報じた。
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報道によると6月1日の午後9時40分頃、男は同州にある「ダラス美術館」を訪れたという。閉館していたが、男はガラスの扉を金属の椅子で破壊し中に侵入した。武装などはしていなかった。
男は美術館の中に入ると、展示されていた作品を次々に破壊。現在明らかになっている中では、紀元前550年頃にギリシャで使われていたとされる10万ドル(約1326万円)相当のボウルや1万ドル(約132万円)相当のネイティブアメリカンのワニの置物、紀元前6世紀頃のギリシャの陶器、紀元前450年頃に作られ古代ギリシア・ローマ期に用いられた陶器の化粧道具入れなどが含まれていた。被害総額は推定500万ドル以上で、男は美術館内にある電話やコンピューター、ベンチなども破壊したそうだ。
男の犯行に気づいた警備員が男を取り押さえた。男は自ら警察に通報するなど落ち着いた様子だったという。破壊開始から約30分後の午後10時10分頃に警察が美術館に到着し、男は逮捕された。
報道によると男は犯行の動機について「彼女に腹が立ったから」と話しているそうだ。男の刑は今後の裁判によって決定されるが、最大で5年の刑務所行きが言い渡される可能性がある。
警察は「破壊されたものは非常に貴重で他に類を見ない古代の作品だった」という声明を発表している。なお同美術館の館長は、保険会社と協力して損害額を計算中だと明かしている。館長によると実際の損害額は500万ドルより低くなる見込みであるそうだ。現在までに男に損害賠償が請求されるという情報はないが、今後の裁判次第では男が損害賠償する可能性もゼロではない。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「悪質すぎて言葉がない」「作品はどんなに価値のあるものか。男に対して怒りしかない」「動機があり得ない。男は狂っている」「刑務所にずっと入っていてもいいレベルの罪。全額賠償させればいい」「美術館の扉がガラスでなければと思ってしまう」といった声が挙がっていた。
日本で起きた美術品破壊の事件でも怒りの声が世間から上がっていたが、今回の事件も同様のようだ。値段以上の価値がある作品を壊した責任の大きさを男は痛感すべきだろう。
記事内の引用について
「Dallas man broke into museum, damaged art worth millions because he was ‘mad at his girl,’ police say」(Fox News)より
https://www.foxnews.com/us/dallas-museum-man-damaged-art-worth-millions
「Man allegedly destroys $5 million in art at Dallas museum because he ‘got mad at his girl’」(New York Post)より
https://nypost.com/2022/06/02/man-allegedly-wrecks-5-million-in-art-at-dallas-museum/
「Man destroys $5m in ancient artifacts in museum row with girlfriend」(The Independent)より
https://www.independent.co.uk/news/world/americas/crime/dallas-artefacts-destroyed-museum-girlfriend-b2093620.html