横浜DeNAベイスターズの森敬斗内野手が横浜市内の病院で右太股裏の肉離れ、左足首の捻挫との診断を受け、3月25日の開幕は絶望的となった。
>>DeNA・森、前半戦終了間際まで一軍に戻れない? 三浦監督も落胆の両足故障に懸念相次ぐワケは<<
「今季、ショートのレギュラーを獲ると目されていました。キャンプ、対外試合でもバットで結果を出しており、首脳陣も期待していたんですが」(スポーツ紙記者)
開幕スターティングメンバーも考え直さなければならない。ショートを誰に守らせるのか…。
「佐野恵太外野手も『右腹斜筋の肉離れ』で二軍調整中です。開幕戦には間に合うと話すコーチも多いですが、一軍合流となって、すぐにフルスイングできる状況ではなさそう」(球界関係者)
今季は内外野ともに選手層も厚くなっているので、大きな戦力ダウンとはならないはずだ。しかし、箇所は異なるが、佐野、森はともに「肉離れ」でチームを離脱した。その原因をしっかり調査しておかなければ、新たな負傷者を出してしまうだろう。
「チーム強化策として『機動力』が挙げられていました」(前出・同)
盗塁数を量産しようというのではない。「相手チームの守備陣営に隙があれば、次の塁を狙う」という“意識改革”だ。
森の肉離れだが、その積極性が裏目に出てしまった不遇でもあった。
2月27日、巨人とのオープン戦でのこと。出塁した森は、次打者・楠本の打球がライト線に転がっていくのを見て、迷わず二塁ベースを蹴って三塁に向かった。スピードを全く落とさない森の走塁は、「本塁突入」も狙っていた。しかし、三塁ベースを蹴った直後、森はうずくまってしまった。
「左足の捻挫は三塁ベースを蹴った時に、右太股裏の肉離れは三塁に向かう途中から違和感があったと聞いています」(前出・同)
また、佐野の右脇腹の肉離れだが、今季は一塁の守備にも再挑戦している。大田泰示、ドラフト6位ルーキー・梶原昂希など、新しく加わった外野手たちが好調で、主にレフトを守ってきた佐野が一塁に回れば、彼らもスタメンで起用できるからだ。
「佐野はキャッチボールの段階からファーストミットを使うなど、張り切っていました。チームリーダーでもあり、内野ノックを受ける時は雰囲気を盛り上げようとし、“オーバーアクション”も見せていました」(ベテラン記者)
厳しい言い方をすれば、体が気持ちについていけなかったのだろう。
「今までのDeNAがぬるま湯だったとは思いません。でも、コーチ陣も入れ代わったことで練習量が増えたのは本当です」(前出・同)
三浦大輔監督は森の離脱について聞かれ、「痛いですよ」と、開口一番に答えた。その言葉の通りだろう。当分、主力クラスの選手を休ませる必要も出てきた。
本来ならば、ペナントレース本番を見据えて、エンドランなどの攻撃もテストしてみたかったはず。開幕戦が近付き、体調管理が最大のテーマになるとは…。(スポーツライター・飯山満)