今季は、もう補強はやらない。相手球団からの申込みがあった場合、話は聞くが、巨人サイドから仕掛けることはない、と…。まさかとは思うが、「リアルジャイアンツカップ」や一部コーチの配置換えなどのニュースも重ねてみると、「原辰徳監督は現有戦力で戦おうとしている」という情報は、本当なのかもしれない。
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「代理人やエージェント会社からいくつか売り込みがあったと聞いています。日本でも活躍しそうな外国人選手もいたようですが、就労ビザなど一連の新型コロナ関連の問題で確証が持てないので、方向転換したようです」(ベテラン記者)
直江が7月25日の壮行試合で好投すれば、後半戦の大きな戦力となるだろう。
「7月8日の中日戦で、直江が先発登板のチャンスをもらいました。3回途中、1失点で“非情”交代させたのは、彼に悔しいと思わせ、向上心を持たせるためでした」(前出・同)
一、二、三軍の混合紅白戦・リアルジャイアンツカップにしても、そうだ。まだ一軍経験のない若手や育成選手を起用するのは、新戦力の発掘のためだという。
「二軍担当だった山口鉄也投手コーチを一軍に配置換えします。ブルペン担当としてリリーフ陣を管理する予定ですが、この先、若手投手を多く一軍昇格させるため、彼らの性格も把握している山口コーチが適任と判断されました」(スポーツ紙記者)
チャンスに飢えた若手にとっては有り難い方向転換だが、こんな情報も聞かれた。
「ライバルである阪神がソフトバンクとのトレードを成立させ、二保旭投手を獲得しました。巨人も二保を狙っていたみたいです。でも、ソフトバンク側は大砲タイプがほしいとし、交換要員で天秤に掛けられ、阪神に軍配が上がりました」(球界関係者)
外国人選手は補強できない、トレードも厳しい。若手抜てきは苦渋の選択でもあるらしい。
「原監督が本当の意味で試したいのは、コーチ陣の方かも。オーナーに前半戦の報告をした際(7月13日)、阿部慎之助二軍監督の話も出ました。阿部二軍監督が一軍の指揮を執る時、誰が参謀役になるのかも見定めようとしているようです」(前出・同)
原監督は3年契約の最終年を迎えた。阿部二軍監督への禅譲は既定路線のように伝えられているが、
「巨人史上で最も勝ち星の多い指揮官が原監督。もし今季、優勝できなかったら、そのまま辞めさせることはできない」
との声も出始めた。
壮行試合で先発マウンドを踏む直江もそうだが、オリンピック・ブレイクの間に行われるエキシビションマッチで他選手の台頭がなければ、巨人のオフも騒がしくなりそうだ。(スポーツライター・飯山満)