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中日、今季はメモリアルイヤーも優勝する気ナシ? 主力のスロー調整は若手育成にも悪影響か

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大野雄大

 今季のセ・リーグで、巨人の3連覇を阻止する球団として中日を予想する声も少なくなかった。根尾、岡林、石垣、高松、石川らの若手が“覚醒”したら、チーム力のアップは計り知れないものがある。彼らの成長、飛躍について数字的な根拠があるわけではない。「あと少しのところまで来ているんだが」と“爆発”を予感する声も多く聞かれた。

 しかし、彼らはそのきっかけを掴みきれていない。

 「オープン戦の締め括りでもあったので、与田剛監督も勝ちにこだわったのかもしれません」(スポーツ紙記者)

 キャンプ最終日でもある2月28日、東北楽天との練習試合は雨のため、ノーゲームとなった。しかし、その試合と前日の阪神戦で「チームの状態」も見えてきた。

 「28日の先発オーダーは、1番・大島、2番・京田、3番・平田、4番・阿部…。根尾など期待の若手の名前はありませんでした」(前出・同)

 若手のいない、ありきたりの打順にファンもガッカリさせられたはず。

 一軍の練習試合は、ここまで2勝5敗1分。与田剛監督もキャンプ最終日を勝利で飾りたかったのかもしれない。

 「今年は球団創設85周年のメモリアル、なのに試合中、優勝するという意気込みみたいなものが感じられない」(プロ野球解説者)

 連日のスポーツメディアでも報じられている通り、根尾たちはレギュラーを掴もうと必死に頑張っている。普通、若手が奮闘していると、チームは活気づくものだが…。

 「原因はベテラン選手でしょう。実績のある主力、ベテランはマイペース調整が許されており、その彼らが調整の一環で対外試合にも出るようになり、試合中の雰囲気がちょっと変わってきました」(前出・同)

 前日先発の大野雄大、キャンプ最終日に登板した福谷浩司の両投手は、ともに開幕投手候補であり、マイペース調整が許されている。だが、このスローぶりから醸し出される余裕みたいなものが、試合にも蔓延しているのだ。

 前日の阪神戦に登板した大野は初回にいきなり3点を失った。結果にこだわる時期ではないが、試合後のコメントは「腕も振れていたので大丈夫やなって感じ」と、調整の一環であることを伝えていた。昨季の大野は阪神戦5試合に投げ、防御率1・51と圧倒的な強さを誇っていた。

 「昨季の大野も序盤戦は本調子ではなく、尻上がりに良くなっていきました。チームの順位もそうでした」(前出・同)

 昨季に限らず、大野は序盤戦に苦しむ傾向もある。メモリアルイヤーの今年、本気で優勝を狙うのであれば、大野にはハイペースで調整させるべきだが…。

 >>中日・大野の五輪代表入りは当確? 稲葉監督との意味深なやり取り、その裏にある不安要素とは<<

 また、雨天ノーゲームとなった日に先発した福谷も、スロー調整だった。ストライク先行のピッチングを評価する声も聞かれたが、2イニングで2点を失っている。

 「他球団よりも全体的に調整が遅れている印象を受けました」(球界関係者)

 主力組の選手にも実戦に出て調整しなければならないこともある。与田監督は開幕戦までどんな行程をイメージしているのだろうか。(スポーツライター・飯山満)

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