「ヤクルトの山田哲人(28)がFA権を行使した場合、楽天・石井一久GM(47)が黙って見すごすはずがありません」(球界関係者)
石井GM体制になって以来、楽天は「ヤクルトカラー」が強くなった。山田との関係性でいえば、三木肇監督はヤクルトの内野守備コーチ時代に直接指導を施した間柄だ。
「石井GMは交渉上手。GMに就任して間もない’18年オフ、埼玉西武からFA宣言した浅村栄斗を獲得しました。リーグ優勝した球団の主力バッターを、最下位チームが引き抜いたんですよ」(同)
また、楽天には、山田を強奪しなければならない理由がある。巨人に行かせたくないからだ。
「坂本との二遊間コンビが見たい」
そんな話が有名プロ野球解説者のインターチャンネルで展開されたこともあり、山田の巨人入りは“既定路線”のような風潮もある。
石井GMはそれを打破しようとしている。いや、しなければならない理由があると、ベテラン記者は語る。
「シーズン中に成立させた巨人との2件のトレードですよ。放出したウィーラー、高梨雄平は巨人で活躍し、石井GMが獲った高田萌生、池田駿は活躍していません。チーム編成上、弾き出されたウィーラーたちに活躍の場を与えただけです」
山田の巨人行きは、石井GMのメンツにも関わってくるというのだ。
「石井GMが交渉上手なのは、移籍することで得る利点を説明するからです。年俸査定や金額だけではなく、選手のスタイルがいかに楽天にマッチするかを説明しています」(前出・関係者)
今季の山田は打撃不振に陥っている。本塁打、打点のダウンはもちろん、「盗塁8」(9月20日時点)というのも気になる数字だ。
「バレンティンがいなくなったからですよ。4番のバレンティンはフルスイングするため、相手捕手はやや後方で構えていました。山田の盗塁は、そういう微妙な援護に助けられていました」(前出・ベテラン記者)
石井GMは、そのあたりも突っ込んでくるはず。山田の巨人行きという“既定路線”が崩れつつある。