デンジャラスクィーンの引退から18年。北斗の頭の中には「いつか女子プロレスに恩返しをしたい」という気持ちが消えることがなかったという。子育てもひと段落し、夫婦揃ってのタレント活動が順調なのも、女子プロレスラー北斗晶があったから。そんな気持ちから北斗は、同期の堀田祐美子のデビュー35周年大会を全面バックアップするという話から、女子プロレス全体を盛り上げる協力をしたいと、話がスケールアップ。今月の18日に、各団体の首脳陣と水面下で話し合いを持ち、アッセンブルを立ち上げることになった。
この日の会見には、北斗の考えに賛同した長与千種(マーベラス)、ダンプ松本(極悪同盟)、堀田(フリー)、尾崎魔弓(OZアカデミー)、高橋奈七永(シードリング)、里村明衣子(センダイガールズ)、コマンド・ボリショイ(PURE-J)ら、6団体・ユニット&フリーの12人が出席。さらに、スターダム、WAVE、アイスリボンのロゴパネルも掲示されており、北斗によると「今回は試合には出ていただけないですけど、加盟団体なので、今後、試合はもちろん、アッセンブルがやるイベントに出る可能性はある」という。
北斗は「日本の女子プロレス団体が力を合わせ、このコロナ禍に立ち向かっていく共闘組織です」とアッセンブルを立ち上げた経緯を説明すると、10月1日に、東京・上野恩賜公園野外ステージ特設リングで各団体が試合を提供して第1弾興行を開催すると発表した。各団体がそれぞれ試合を持ち合うことで、現在の女子プロレスを見せていきたい意向のため、「試合順は試合前に各団体の大将が抽選して決めます。だから、新人の試合がメインになったり、メイン級の試合が第1試合になることもある」(北斗)とのこと。
ダンプは「昔見ていたファンが、まだ千種とダンプやってるのか!と観に来てもらって、若い選手を覚えて帰ってもらいたい」と話していたが、レジェンド枠のスペシャルマッチも企画案には入っているようだ。尾崎は「北斗晶、やっと出てきたかと。誰の引退興行にも来ない。きっと女子プロレスにずっと関わってこないんだろうなと思ってた矢先、私が一番驚きました。私は北斗さん好きなんで喜んで参加します」と、北斗が再び女子プロレスに関わることに喜びを感じているようだった。
長与や里村からも北斗の名が出ていたが、北斗本人は「復帰ではなく、大学のOGみたいなもの」と現役復帰やプロデューサー的な役割については否定している。OGでは山田敏代さんを中心に既に動いているようで、「アッセンブルは決め事がない」「1回で終わるかもしれない」と北斗は話しているが、女子プロレス界への恩返しが済むまでは、先輩や後輩たちとともに突き進んでいくはずだ。
コロナ禍で苦しむ女子プロレス界にとって、こんなに希望のあるニュースはない。
(どら増田)