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「バーチャルハマスタ」とは、スマートフォンやパソコン、VRデバイスを利用してバーチャル空間にもう1つの横浜スタジアムの一部を構築。オリジナルアバターを使いながら、「バーチャルハマスタ」内を自由に歩き回れるほか、試合の状況に合わせた演出などにより、多くのファンと一緒に実際の球場で応援するような“次世代型観戦”を楽しめる。
説明会では、横浜DeNAベイスターズ ブランド統括本部長 林裕幸氏とKDDI 株式会社 パーソナル事業本部サービス統括本部5G・xRサービス戦略部長 繁田光平氏が登壇し、コンセプトのアウトラインを解説した。
林氏はコロナ禍において、「満員の観客の熱気や熱狂は不可」となり、「バーチャルでアバターなどによる新時代の観戦体験」を模索。5Gの基地局設置が完了している横浜スタジアムの「ファーストスタジアム構想」と相まって企画が実現した。繁田氏は「国内初、ひょっとしたら世界初」のプロジェクトに、「現地と同期を取りながら、熱気を集めて応援」できる環境にこだわったと明かした。
特徴は外周やエントランス、コンコースをリアルに再現する事で、本当にハマスタにいるようなワクワク感を得られる。その後、スタンドへ続く通路に差し掛かると、いきなりベンチへワープし、そのままグラウンドに出られる有り得なさのギャップがポイント。見やすい場所を探しながら、巨大スターマンや巨大今永など、VRならではのド派手演出も楽しめ、ヒットやホームランの際は花火が打ち上がり、今はハマスタでは自粛を強いられている7回の「スタージェット飛ばし」や「ヤスアキジャンプ」も可能だ。
トライアルでは、延べ人数として約30,000人が参加。担当者も「今回の無料トライアルで予定していた取り組みは全て実施することができ、想定以上のお客様が参加していただけたことは非常に良かった」と満足気なコメントを発表した。
「コロナが収まっても限定的で、球場に来れない方もいる。他の選択肢としてバーチャルハマスタがあれば」とし、将来的には「入場料やアバターへの課金、スポンサードなど」で収益化も念頭に入れる。めざすは現地観戦、テレビ観戦に次ぐ「第3の観戦スタイルの確立」だ。コロナの影響でプロスポーツ界にも激震が走っている昨今に、時代にマッチした「バーチャルハマスタ」。新時代のプロ野球を観戦する形は、最新テクノロジーによって、より遊び心溢れるものになっていきそうだ。
取材・文 / 萩原孝弘