2日の試合前、ラミレス監督は「今日のスタメンは80%くらい」と、ほぼベストメンバーを揃えたとコメントしたが、相対的に見て変更がありそうなポジションは、1番センター梶谷隆幸と7番キャッチャー戸柱恭孝のあたりとみられた。次戦3日も、1番センターは梶谷が名を連ねていたが、結果は通算6打数ノーヒット、代わって途中出場した神里和毅も同2打数ノーヒットと結果を出すことはできなかった。
そこで猛アピールに成功したのが桑原将志だ。2日は佐野恵太に代わって守備から出場し、9回2点ビハインドの場面、ランナーを一人置いた場面でバッターボックスに入ると、左中間に突き刺さる同点ホームラン。3日もオースティンに代わってライトに入り、昨日と同じくランナーを一人置いた場面の9回に、今度は右中間を破るツーベースヒット。連日の打点も付けて見せた。
これにはラミレス監督も「なかなかチャンスは少なかったが、よくモノにしてくれた。元々ポテンシャルは凄い高い」と2日に評価し、3日にも「スイングが凄く安定している。スタンスを変えて、それでストレートを捉えることができている。逆方向の打球も、しっかり引き付けられているのでパワーが伝えられている」と指揮官らしい眼力で、活躍を認め目を細めた。今後のスタメン起用に関しても「もちろん考えている。外野のあらゆるポジションをこなせるので、ユーティリティプレーヤー的な使い方をしていたが、調子がいいので先発で使うチャンスはある。神里や梶谷もいるので、センターは競争」と、レギュラー再奪取に光が差した。
今季はレギュラー候補として、神里や梶谷が多く起用される傾向にあったが、ここに来ての連日の躍動で一気に競争に食い込んできた桑原将志。持ち前のガッツで、泥臭くレギュラーに食らい付く。
取材・文・写真/萩原孝弘