菊容子【享年】24【死亡年】1975年
歪んだ愛情に命を奪われた特撮ヒロイン
幼少期より子役として活動。1971年には特撮ドラマ『好き!すき!魔女先生』でヒロインを演じ、当時の子供たちの憧れの的となる。1975年4月、予定していた電話連絡がないことを不審に思った菊の父親が、彼女の自宅を訪れると、そこには仰向けに倒れて死亡している菊の姿があった。実はその日の未明、父親は彼女から交際中の俳優と別れたいという相談を受けており、犯人はその俳優だった。彼は菊とよりを戻そうと彼女の自宅を訪れた際、父親との電話を別の交際相手のものと勘違いし、電話のコードで絞殺したのである。人気女優となった菊に比べ、俳優のほうは鳴かず飛ばずだった。彼の役者としてのコンプレックスが愛情をゆがませ、悲劇を生んだのか。
戸野広浩司【享年】25【死亡年】1972年
泥酔の上、風呂場侵入で命を落とした変身ヒーロー!
特撮ヒーロー番組『快傑ライオン丸』のライバルキャラ「虎錠之介/タイガージョー」役を担当。そのクールな雰囲気は子供たちに支持され、主人公を上回る人気を獲得した。当時の戸野広は「ライオン丸」の後番組の主人公に予定され、結婚も決まっているなど順風満帆な将来が約束されていたが、番組撮影のため滋賀県の宿舎に泊まった際、泥酔して深夜の女風呂に侵入し、そこで誤って転倒。そのままガラス戸に突っ込んで脇腹を切り裂いてしまい、出血多量により死亡してしまった。発見場所が女風呂だったということから、マスコミ側から「のぞきを行おうとしたのではないか?」という疑いの声も上がったが、真相は事件当時の宿舎は消灯していて、唯一、明かりがついていた女風呂に戸野広が迷いこんでしまったというものだった。子供たちの憧れのヒーローは、「泥酔」というイメージには似つかわしくない行為が原因で、自らの命を失ったのだ。