宮本氏は緊急事態宣言が5月31日まで延長されることについて、「落胆しかないです。生殺し状態というか先が見えないです」と声を落とした。ブロードウェイで公演が予定されていたオペラが延期。ドイツ公演はすべて延期、国内のショーは中止に。宮本氏の知人のプロデューサーは出演者の生活を守るため、ギャラの8割を支払うことを決めたという。
さらに「役者たちも稽古に行けず、生の関係で付き合えることができないと、命を懸けて訓練してきた人たちの中には『この仕事、辞めようかな』という人が何人も出てきているんですよ。もう、それが心配で…」と厳しい状況を明かしている。
文化・芸術に対して、政府からの補償は不十分なことに「絶望的な感じがしました」と不満をあらわにし、「まるで“不要不急”とは言わなかったけど、不要のような感じがしてしまうくらい」とぽつり。「先進国の中で、これほど文化・芸術にお金を出さないところはないと思っていました。きっと政治家の皆さんは歌も歌ったことはないし、笑ったこともないのかな。そんなはずはないですよ。こういうときにバサッと『そういう人たち』という切り方をするんですよ」とこぼした。そして「今回の流れに関しては絶望的な感じが正直しましたね。残念ですね」と悔しさをにじませている。
宮本氏の発言に、ネット上からは賛否の声が。
《不要不急ランキングを作ったら、演劇とかはかなり上位に来ると思う。あれは生活が豊かな上で成り立つ娯楽》
《暇つぶしに向かない部類の娯楽なんだから、真っ先にシワ寄せが来るよね》
《日本には芸術や文化を育てる気質はないのです。職人もそう。育てられないのです》
《エンタメは興味がない人にとっては不要不急のものかもしれない。でも鬱屈した毎日を過ごさなきゃいけない人の中には音楽や芸術は救いになってる》
などといったコメントが寄せられた。
安倍晋三首相からは、宣言延長の際に追加の支援策については具体的な言及がなかった。4月スタートのテレビドラマは撮影ができず、放送できない状態が続き、先行して撮影をしていたNHK大河ドラマや朝の連続テレビ小説も6月中に放送がストップする見込み。このままではエンタメ業界に大きなダメージを与えるのは間違いないだろう。