「主演が窪田正孝で、ヒロイン・二階堂ふみでは、どうにもこうに話題になりにくい。どちらも一流俳優でもないし、窪田は女性人気、二階堂は男性人気がない。ドラマのスタートから盛り下がっていました」(テレビ雑誌編集者)
物語は明治、近代化が進む福島の老舗呉服屋に、後に多数の名曲を生み出す作曲家・古山裕一(窪田)が誕生する。取り柄がない子どもだったが、音楽に出会い作曲の才能が開花。
青年になった裕一は、海外の作曲コンクールに入賞。それがきっかけで歌手を目指す関内音(二階堂)と知り合って2人は結婚。不遇の時代を乗り越え、二人三脚で数々のヒット曲を生み出していく――という内容だ。
「運命的に出会い、その後苦労し、成功するというテレビ小説にありがちなパターン。正直2人とも美男美女というカップルでないから、劇的感は全然ない。だから、最初から《どうして窪田なの?》《どうして二階堂なの?》と疑問視されていたのです。主演2人に魅力が乏し過ぎるのです」(同・編集者)
しかも、『エール』には致命的な問題がある。平日はNHK BSプレミアムでは7時15分より、1986年放送のテレビ小説『はね駒』が放映され、終了後の30分より『エール』が放送される。BSではテレビ小説が旧作と新作が一気に放送されるのは、ここ何年か特徴だ。
「『はね駒』は平均視聴率41.7%を記録した超大ヒット作。当時19歳で、アイドルとして抜群人気の斉藤由貴(橘りん役)がヒロインとして登場。そのかわいさと演技力で、視聴者を魅了した。とにかく、その存在感は圧巻です」(芸能記者)
斉藤を見た後に『エール』の二階堂を見るとガク然としてしまうようで…。
「斉藤のオーラというかキラキラ感は、二階堂には全然ない。まさに女優の質の違いでしょう。斉藤を見ると二階堂はヒロインに思えなくなるし、視聴率に響くでしょう」(同・記者)
放映前から、「二階堂ミスキャスト説」も囁かれていたそうだが……。