「どの球団もそうですが、練習時間、場所を確保するのも大変になってきました。“3密”を避けるため、選手たちの練習開始を分散させるなどの管理をしなければなりません。長い時間を掛けて打ち込みをしたいとする選手もいますからね」(スポーツ紙記者)
球界からも新型コロナウイルスの感染者を出してしまったからだろう。手洗い、うがい、消毒がより徹底された。
ここまではどの球団も同じ。しかし、巨人では少し異なる光景が見られた。原辰徳監督(61)と元木大介ヘッドコーチ(48)が別行動を取るようになったのだ。
「別行動というか、一緒にいるところを見なくなりました。意識しているのかもしれません」(同)
原監督に“万が一”のことがあった場合、指揮を引き継ぐのは元木ヘッドだ。首脳2人が“同時感染”するという最悪の事態を避けるため、意識して別行動を取っているのではないか、というのだ。
意識せずにそうなったのならば、危機意識の高さと言えるだろう。
「原監督に何かあったら、元木ヘッドが指揮を執ることがチーム内外に伝わったと思われます。年齢でいえば、吉村禎章作戦コーチ(56)もいて、阿部慎之助二軍監督(41)も控えていますが…」(同)
そもそも、元木コーチがヘッドコーチに昇格した時点で“雑音”は聞かれた。元木コーチは引退後、テレビのバラエティー番組などで活躍していたからだ。
クイズ番組での“おバカ”解答は有名だ。コーチに入閣した当初から「大丈夫かよ?」の声も出ていた。しかし、三塁コーチャーとしての的確な指示、試合前の選手への声掛け、円陣などで、あらためて野球偏差値とコミュニケーション能力の高さを証明してみせた。
そんな元木コーチに関して、こんな声も聞かれた。
「モタが支配下登録された後ですよ。故障も重なり、モタは打撃不振に陥りました。支配下登録の会見で感涙したシーンもあって、ファンは不振でも好意的でしたが、『彼1人のために他選手のチャンスを奪うことはできない』と元木コーチは言い切りました。他のコーチが言っていたら、おかしなことになったかもしれません」(関係者)
原監督もヘッドコーチを経験して監督に昇格した。年長OBに「ブルペンにも行ったら?」と進言されても、長嶋茂雄監督(当時)の黒子役を貫いた。元木流の“くせ者采配”なら、ファンも喜びそうだが…。