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センバツ甲子園に「無観客試合」案が浮上

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提供:週刊実話

 猛威を振るっている新型コロナウイルスの影響を考慮し、国内女子ゴルフツアーの開幕戦が無観客試合に。さらに相撲やサッカーJリーグ、さらには東京オリンピックの開催まで危ぶまれる中、その余波がセンバツ甲子園にも波及しそうだ。IOCは3月中に東京五輪開催の判断を下す方針で、その前に甲子園球場で新型コロナウイルスの感染者が出たらジ・エンド。「無観客ドミノ」が本格化する。

 新型コロナウイルスの混乱が続く中、五輪関係者に止まらず、政財界を慌てさせているのが、「このまま感染拡大が終息しなかった場合、IOC(国際オリンピック委員会)が3月中に東京オリンピック・パラリンピック中止を決定しかねない」という情報だ。

 全国紙の五輪取材班によれば、IOCは既にこの方針を内々に東京五輪組織委員会に連絡済み。粛々と“幕引き”の準備が進んでいるという。

「東京に代わる開催地を選ぶ時間と現地の準備期間、チケットの対応を考えれば、3月末が中止決定のタイムリミットという判断です。その大事な時期に国内スポーツ大会で新型肺炎の罹患者が出たら、それが中止決定の引き鉄となります。中でも警戒しているのが、1日に6万人以上の入場者が観戦に訪れるセンバツ甲子園。今年92回を数える選抜高校野球大会です。徳俵に足がかかった状態の組織委員会は、開催するにしても4月以降に延期するか、無観客試合にしてほしいと切に願っています」

 現時点で予定通り開催する方針の日本高野連。しかし、開催のスタイルについては「その時の状況や他競技の運営等も参考に、最善策を取っていく」と含みを持たせ、今後も継続して協議するとしている。

 だが、3月1日の東京マラソンに続き、翌週の名古屋ウィメンズマラソンも一般参加者の出走が中止となり、3月5日からの女子ゴルフ開幕戦(ダイキン・オーキッド・レディーストーナメント、琉球GC)は無観客での開催が決定。この「無観客ドミノ」の流れは、3月8日が初日の大相撲春場所(大阪)、そしてセンバツ甲子園でも続きそうだ。

 そうは言っても、センバツの中止は難しい。これまで中止されたのは1942年から’46年まで第二次世界大戦の影響で行われなかっただけ。今さら中止・延期となれば生徒たちの授業に支障をきたすし、プロ野球・阪神タイガースの試合日程にも影響するからだ。

 さらに今回から「1週間500球」の投球制限ルールが採用され、準決勝、決勝前には予備日が設けられた。それらを加味すれば「無観客試合」以外の選択肢はないのだ。そのため、水面下では、シミュレーションも進んでいるという。

 本誌が入手した情報によれば、開会式は防疫を徹底し、入場できるのは、出場する各校は20人(選手18人、責任教師1人、監督1人)と、優勝旗を返還する前年優勝校の主将と責任教師。

 ベンチ入り選手以外の生徒や家族、一般の入場は認められず、試合の様子はNHKと毎日新聞社のグループ会社である毎日放送のテレビ中継で観戦することになる。

「無観客試合となることで、大きな弊害はない。春夏の甲子園大会は阪神電鉄とテレビ局の善意で成り立っており、甲子園球場も全国中等学校野球大会のために造られた歴史があるため、阪神電鉄が無料で貸し出している。放送料もかからず、問題があるとすれば昨年度は3億円超あった入場料収入が見込めなくなることだが、運営費もミニマムで済むわけで、大きな持ち出しにはならない」(スポーツ紙デスク)

 もう一つ見逃せないのが「バスの問題」だという。

「全国32の代表校が出場するセンバツ甲子園は、各校とも何台、何十台ものバスで応援団が駆けつける。狭い車内で長時間の移動だと濃厚接触は避けられず、1人が甲子園球場で感染すれば、二次的に感染する可能性がある。この応援バスツアーの募集は始まっているが、応募者が激減しているという背景もある」(同)

 2012年の全国高校野球選手権宮崎大会では家畜の伝染病、口蹄疫の発生を受け、感染拡大防止のために「無観客試合」が実施された。しかし、今回の新型コロナウイルスはその時とは比べられないほどの猛威。観客を入れて感染が拡大すれば、東京五輪中止の決定打になるのは確実だ。

 IOCのバッハ会長は、インフラと’12年の夏季五輪開催経験があるイギリスのロンドンなら東京に代わって五輪を開催できると判断しており、5月のロンドン市長選に出馬する政府与党・保守党公認のショーン・ベイリー氏、現ロンドン市長で最大野党・労働党公認のサディク・カーン氏ともに「東京に代わってロンドンは五輪を開催できる。我々には施設や経験がある」と表明。代替開催地として手を挙げる考えを示しており、すでに外堀は埋められている。

 もしロンドン開催となれば、3兆円超とも言われる東京五輪の開催費用は回収できず、施設もすべてムダ。外国人の五輪観戦客をアテにしていたホテル、ツアー、商業施設の売り上げは水泡に帰し、日本中がパニックに陥るのは必至だ。

 安倍晋三政権の今後にも大きく影響し、首相側近の萩生田光一文部科学大臣がセンバツで大ナタを振るうのも当然。応援のない「静かな甲子園」が始まる…。

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