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【放送事故伝説】たった一つのクシャミが原因で番組を降板したアナウンサー

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 的確に確実にニュースを伝えるアナウンサーにとって「最大の敵」と言えるのが、生放送中の「くしゃみ」および「思い出し笑い」である。
 そんなアナウンサーの二大敵と言えるこの二つだが、同時に発生し、番組降板にまでなってしまった可哀想な女子アナが存在した。

 1980年代に放送され、社会現象を起こしたバラエティ番組『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)。番組に出てくる初代「ひょうきんアナ」として人気を集めたのが、山村美智子(現:美智)元フジテレビアナウンサーである。
 山村アナは結婚を機に1985年、フジテレビを退社、『ひょうきん族』も降板した。降板後の1987年、『FNN DATE LINE』(同)という深夜帯の報道番組で司会を務めることになった。

 元フジテレビを代表する女子アナとして活躍が期待されたが、番組開始から1か月後の11月13日、テレビ史に残る大放送事故が発生する。
 この日のクライマックス近く、突然スタジオから「ハックション!」と大きなくしゃみが聞こえた。このくしゃみの主は番組ADで、あまりの音の大きさに、スタッフおよび出演者も思わずビックリしてしまうほどだったという。
 すると、今度は山村アナも「ハックション!」とくしゃみが「伝染」してしまった。そのまま別の話題に移行出来ればよかったのだが、どうも山村アナの「笑いのツボ」にハマってしまったようで、「クックック」と笑い出してしまい、用意されていた原稿すら読めなくなってしまった。

 仕方なく、同じく司会の露木茂キャスターに原稿を読んでもらう事にし、山村アナは番組の最後に、くしゃみをしたADを呼び出し、一緒にカメラの前で頭を下げた。
 ハプニング映像としては面白かったが、『FNN DATE LINE』は『ひょうきん族』とは違い、真面目な情報番組である。そのため、番組には「馬鹿にしているのか!」「真面目にやれ!」といった投書が殺到。責任を取る形で山村アナは番組を降板したという(※降板理由は同時期に三原山の噴火があり、その際に不適切発言があったともされているが真意は不明)

 たった一つのクシャミが、女子アナの運命を決めた珍しい放送事故であった。

文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)

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