坂本の射程圏内に入った記録をいくつか挙げてみよう。通算2000本安打まであと116本、350二塁打まであと2本、250本塁打まであと27本、1000得点まであと17点、3000塁打まであと57などだ。
「原辰徳監督(61)はもちろん、球団も坂本にとって大事なシーズンになることは重々承知の上。余計な重圧を掛けたくないから黙っています。でも、大々的なセレモニーも予定されています」(スポーツ紙記者)
記録達成を願うファンの気持ちや思いのほか、他球団ファン、野球データマニアの好奇の目にも晒されるだろう。だが、坂本は2000本安打に関して、別の重圧と戦わなければならない。
それは、坂本の年齢にある。7月13日までに116本を打てば、プロ野球史上最年少記録を塗り替えるのだ(日米通算を除く)。
「現在の最年少記録は、榎本喜八氏(東京)の31歳7カ月です。坂本は12月14日生まれなので、新記録達成のリミットは7月13日。榎本氏は引退後、球界から距離を置いており、榎本氏を知る若い野球ファンは少ない。つまり“伝説の人”に挑むわけですから、他球団のファンも関心があるようです」(同)
そこで、「1番坂本」の新打順も予想されている。理由は言うまでもなく「1打席でも多く」の発想だ。
「原監督は一塁と二塁のレギュラー争いを明言しています。しかし、キャンプ前の選手を振り分けるスタッフ会議の後、新たな外国人選手の獲得準備もにおわせていました。クリーンアップを予定して獲得したH・パーラは、メジャーでは一塁の守備に入ったこともある外野手です。新たな外国人選手を獲得するとしたら、守備位置の制限がなく、打撃力優先となるでしょう」(ベテラン記者)
今の巨人には、中日時代に優良外国人選手を供給し続けたデニー友利氏がいる。氏のルートを使えば、間違いなく坂本を自由に打たせることのできる大砲タイプを連れてくることが可能。
「全記録について、記念グッズが販売されたら大儲けでしょう。昨季はハイペースでヒットを量産していたので、その反動がなければいいのですが」(同)
今季のプロ野球は、東京五輪の影響で前倒しとなる。坂本はどこまでも「持っているオトコ」のようだ。