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時に水死体が流れ着く「賽の河原」島根県畳ヶ浦

 1872年の浜田大地震で海底が隆起した畳ヶ浦。海岸には畳を敷きつめたような「千畳敷」が広がり、ノジュールと呼ばれる瘤状の岩とともに、不思議な光景をつくり出している。

 そんな畳ヶ浦は海流の関係で漂着物が特に多い場所で、朝鮮半島から来たであろうハングル語で書かれた物も少なくない。だが、時として自殺者や水難事故で亡くなった人の死体が流れ着くこともあり、入江が洞窟になっている賽の河原洞に、遺体が打ち上げられたのも一度や二度ではない。洞窟の奥には観世音菩薩が奉納され、ここに手を合わせることを目的に訪れる者も多いという。

 洞窟やその周辺では「波の音に混じって子供の声が聞こえてきた」や「波間に子供の霊が漂っていた」などの話が以前から絶えず、「賽の河原に近づくほど頭痛や悪寒に襲われる」などの体験談も頻繁に聞かれる。それでもこの洞窟は定期的に整備されているらしく、他の場所に比べて石積みをほとんど見かけなかった。

 大地震によって突然、地形が変わった畳ヶ浦。それは賽の河原を創るための導きだったのだろうか。

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