これで今季の勝ち星は全て敵地。しかも甲子園と神宮で完封するなど、ビジターでは防御率1.70と無敵状態となっている。しかし、本拠地の横浜スタジアムでは、2回の先発機会で、2回とも序盤で降板させられ、防御率も13.50と散々の成績となっている。これは昨年から続く“怪現象”。ルーキーイヤーでは、ハマスタで5勝無敗で、更に日本シリーズでは、7回1/3までノーヒットノーランの快投を見せるなど、大得意としていた球場だったが、2年目の去年からは10戦で1勝もできていないのだ。特に、昨年の7月1日のカープ戦でのプロ野球ワースト記録、4連続押し出しフォアボールなどはセンセーショナルな出来事であっただけに、記憶に残る。
しかし、濱口はパリーグ相手には3戦無敗と得意にしている。パワー型のサウスポーがパリーグに少ないことも、濱口には追い風となっているようだ。実際、交流戦ハマスタでの初戦、パリーグ屈指の攻撃力を誇るライオンズの“山賊打線”に今永昇太が立ち向かい、敗れはしたものの試合は作った。奪三振も12個を奪い、パワー型サウスポーが通用することを証明して見せた。
次戦の濱口の登板は、ローテーション通りなら、18日からのファイターズ戦が有力視される。得意のパリーグを相手に、元々得意だった本拠地で勝利を挙げ、天真爛漫な“濱ちゃんスマイル”をお立ち台で披露してくれることを、多くのファンが待ち望んでいる。
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘