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エース温存で敗れた巨人、西武の舞台裏

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菅野智之

 埼玉西武が敗れ、パ・リーグは福岡ソフトバンクホークスが日本シリーズに進出することになった。
「なぜ、エースの菊池(雄星=27)を第5戦に登板させなかったんだ!?」
 リーグ覇者の西武はクライマックスシリーズ・ファイナルステージで苦戦し、第5戦(10月21日)に敗れれば、ジ・エンドの状態だった。関係者、ファンはエース・菊池の緊急先発を予想したが、辻発彦監督がマウンドに送ったのはウルフ(37)だった。

 ウルフは今季4勝4敗、防御率4・77。西武担当の取材陣によれは、「今季限りでの引退も伝えられている」という。“思い出作り”で大一番のマウンドに送り込まれたとは思えない。「エースで負けたのなら悔いはない」と考えるのが、フツーだが…。
「菊池は第6戦に待機ということでした。そういえば、セ・リーグも巨人がCS最終戦に先発させたのはエースの菅野ではありませんでした」(プロ野球解説者)
 菊池はCS第1戦(17日)に先発した。第6戦に投げるのは最初から決まっていたようであり、この時点で「中4日」の“過酷登板”は決まっていたことになる。通常、先発投手はシーズン中は「中6日」で投げる。「中4日」で調整していた菊池に対し、「もう負けられないから、中3日で投げてくれ」と言われたら、ベストピッチングはできなかっただろう。

 これに対し、巨人・菅野はビミョ〜だ。菅野はCSファーストステージでノーヒットノーランを達成し(14日)、大きく貢献した。ファイナルステージで巨人が追い込まれたのは19日。「中4日」が経っていたので、先発させようと思えば可能だったはずだ。しかし、こんな情報も聞かれた。
「菅野は11月の日米野球には参加しません。巨人側が事務局に伝えた限りだと、コンディション。つまり、シーズン中の疲労が蓄積されているので無理をさせたくない、と」(球界関係者)
 菅野は完投能力を持つ先発投手なので、今季も200イニング以上を放った。コンディションに配慮するのも分かるが、エース温存のまま敗れた高橋前監督の気持ちを思うと、気の毒になる。

「来季、巨人は3度目の監督就任となる原体制です。原氏に託されるのはチーム再建、世代交代の加速ですが、優勝から4年も遠ざかっています。やっぱり、優勝してもらわないと…」(前出・同)
 巨人担当のメディアによれば、菅野は最後の試合となった19日の広島戦にベンチ入りするつもりでいたという。しかし、ベンチ入り登録からも外れており、高橋前監督は菅野に無理をさせない戦術に徹した。
「高橋監督は『自分が辞めてもチーム(選手)は残る』と言っていました。誰かに無理をさせ、ケガをさせるようなことはしたくなかったのでしょう」(前出・プロ野球解決者)
 しかし、こんな声も聞かれた。
「巨人選手は高橋前監督に『1日でも長く』と、必死でした。でも失礼ながら、すでに来季のことに関心が向いているスタッフもいないわけではありませんでした。西武は今オフ、菊池のポスティングシステムによるメジャー挑戦を認めるつもり。無理をさせ、落札金に影響が出るようなことになれば…」(ベテラン記者)

 西武は25日のドラフト会議で、菊池の後継者となりうる左投手の指名も狙っているそうだ。90年代に日本シリーズで雌雄を決した巨人、西武はドラフト会議を経て、どんなチーム像を描くのだろうか。(スポーツライター・飯山満)

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