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【雅道のサブカル見聞録】『魔法少女まどか☆マギカ』は社会現象アニメになれるのか?

 既に放送が終了して数か月経った人気アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』。その勢いは増し続け、アニメ雑誌以外の特集記事も増えている。今週はサブカル色が薄い週刊SPAでも特集が組まれた。8月中旬には『成熟という檻 『魔法少女まどか☆マギカ』論 』という評論がキネマ旬報社から発売されることも決定しており、これから考察本が増える可能性も高い。もし、この勢いでテレビで特集されることがあれば、かなりの反響を呼ぶことは確実だろう。

 最近はネットなどの発達により、テレビや雑誌の重要度は薄くなっているとはいえ、未だにその影響力は侮れない。以前に社会現象を起こした『新世紀エヴァンゲリオン』も口コミやパソコン通信で話題になっていた所に、雑誌やテレビが特集を組んだことにより爆破的な勢いを生み出した。放送終了直後の話題性、雑誌での特集、考察本の発売など、流れ的にはエヴァと似た道をたどっており、これからコンテンツ業界への影響次第では『宇宙戦艦ヤマト』『機動戦士ガンダム』『新世紀エヴァンゲリオン』に続く、第4の社会現象オリジナルアニメとなる日もあるかもしれない。

 ネットでは盛んに“社会現象”という言葉が、まどか☆マギカには使われてきたが、そろそろ本当に社会現象といっていい時期に来ているのではないだろうか。ただ、エヴァと違う点として、結末を放り投げず話しを完結させたというところがある。「作品への憶測」、「誤読」、「深読み」を含めて話題性とすれば、その点だけは弱い。ただし、話しの構成的に『機動戦士ガンダム』のようなシリーズ展開。作品でタイムパラドックスネタを扱っていることから別の時間軸で『ヱヴァンゲリヲン新劇場』のような作品展開も可能で、それを補って余ある拡張性ももってる。アニメオタクの間では16年周期でオリジナルアニメでヒット作が生まれるというジンクスが囁かれており、これにも合致する。子供向けアニメ以外の主戦場が深夜枠に移り、以前のようなヒットは生まれないのでは? といわれてきたが、最近のまどか☆マギカの取り上げられ方には、それをぶち壊す力を感じずにはいられない。(斎藤雅道)

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