また、寝返りが少ないと腰の筋肉や関節が固くなり、さらに腰の筋肉が圧迫されて血液や体液の循環を妨げ、腰痛になりやすくなります。寝返りは寝ている間にも、身体をほぐす体操を無意識にしてくれているのです。
そして、寝具を選ぶときも寝返りが打ちやすいものを選ぶのが大事です。寝返りしやすいよう掛け布団は軽いものにして、実際に選ぶ時は上向きだけでなく横向きでも寝るなど、様々な寝方で自分に合うかどうかを吟味しましょう。また、やわらかすぎる敷き布団やマットレスは寝返りがしにくいので、腰痛が起こりやすくなります。
とはいえ、なかにはどうしても上向きでないと眠れない方もいます。そうした場合は、ひざの下に座布団やクッションのようなやわらかいものを入れて、ひざや股関節を軽く曲げて、腰が少し曲げられる状態を作りましょう。この場合は真横に寝返りができないので、左右斜め横に寝返りを打てれば大丈夫です。
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監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPはhttps:/