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AJCC ネヴァブションが復活V “春天”へ弾み

 「第50回AJCC」(GII、芝2200メートル)は25日、中山競馬場で行われ、4番人気のネヴァブションが一昨年の日経賞以来となるVで、最大目標である天皇賞・春に弾みをつけた。勝ち時計は2分13秒9(良)。2着にはエアシェイディが入り、伊藤正厩舎がうれしい“親子丼”を決めた。これで真の意味で2枚看板を得た同厩舎。伊藤正調教師は公言こそしなかったものの、その胸の内に、両馬で春秋盾奪取という壮大なプランがあることをチラつけせた。

 終わってみれば伊藤正厩舎のワン・ツーフィニッシュ。「2頭出しは人気薄から」の格言通り、4番人気のネヴァブションが僚馬の連覇を打ち砕いた。
 前半1000メートル61秒5のスローペースのなか、道中は3番手の絶好位。直線は息の長い末脚でエアシェイディ、トウショウシロッコの追い込みを封じた。
 これが今年初めての重賞勝利となった横山典騎手は「切れ味勝負では分が悪いので前につけた。勝春の馬(キングストレイル)を交わすまではモタモタしていたが、並んでからが強かった。ずっと関西馬に勝たれていたので、関東馬で勝てて良かったね」と素直に喜びを表現した。

 僚馬エアシェイディと明暗を分けたのは、道悪の巧拙だった。発表こそ良だったが、午前中までは稍重。さらに、最終週の荒れ具合を加味すれば、結果的にかなり力が要求される馬場状態だった。伊藤正調教師も「シェイディの切れ味が殺された。一方でネヴァはこういった馬場は得意。今日はその差が出たのだろう」と分析している。
 ただ、ネヴァ自身が復調気配にあったのも事実。骨折明けを3戦し、0秒7→0秒5→0秒2と一戦ごとに勝ち馬との差を詰めて臨んだ一戦。デキは3連勝でGII・日経賞をぶっこ抜いた一昨年の状態に近づきつつあった。「休み明け4戦して確実に良くなっているが、まだ良くなる」と指揮官は、お釣りを残した中での復活Vに大きな価値を感じていた。

 次走は未定だが、春の最大目標は天皇賞・春(5月3日)と公言済み。天皇賞・秋をターゲットとするエアシェイディとの“2枚看板”でW盾制覇というスケール大の野望が、にわかに現実味を帯びてきた。

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