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この人にまいっちんぐ お笑いコンビ「おぎやはぎ」の小木博明

 今年の正月映画「ピューと吹く!ジャガー THE MOVIE」がDVD化され、リバプールから23日(月)に発売される。そこでナゾの忍者ラッパー「ハマー」役を演じた、お笑いコンビ「おぎやはぎ」の小木博明(37)に、話を聞いた。

 原作「ピューと吹く!ジャガー」は週刊少年ジャンプ誌上で連載中の、うすた京介作のギャグ漫画。小木も漫画の存在は知っていたが、実写の映画になるとは思わなかったという。
 「ハマー役のオファーが来てビックリしましたよ。マッコイ斉藤監督から話を聞いて“何それ?”って不安を吐き出したら“何言ってんだ、ハマーはお前だぞ”と言われて。周囲からも“ハマーって小木さんとカブっているよね”とか言われるうち、だんだん気持ちよくなってきて(笑)。設定は素のままでいい、オレ・イコール・ハマーだと」
 斉藤監督とは昔からの知り合い。もともとテレビのバラエティ畑の人だ。
 「変な人なんですよ。現場で脚本をどんどん変える。小木は素がハマーなんだから台本読まなくていい。ハマーは台本読まないやつだから…って言われて。それを真に受けて本当に台本読まずに行ったら、当たり前だけど演技が全然できなくて。遠くから監督の“カ〜ット!”って怒鳴り声がしたと思ったら、こっちにスタスタ歩いてきて“映画をなめるな!”って思いっきり頭を殴られて(笑)。監督から“台本ぐらい読んどくべきだろう”と言われて。それもそうだろうけど(笑)」。
 劇場公開映画ではあるが、監督お得意のお笑いの手法で撮影された。
 「監督から(主演の)要(潤)さんを笑わせに行けって言われて。もちろん台本になく、リハーサルもなし。ちゃんと要さんは笑ったんですが、なんか変な感じになったんで撮り直し。キビシイですよねぇ(笑)。あのシーンはテンパっていて、何を言ったのか覚えてないんですよ」
 映画にしては斬新(?)なシーンの連続なのは、そのせいか。
 「監督からあるシーンで“最後にカメラが寄るから、そこで何かやって落とせ”って言われて。それで“ダッフンだ!”的な顔をしたら、本編じゃカットされていた(笑)。本当におかしな監督ですよ」
 主演の要は最近テレビドラマでもコメディータッチな役を演じている。この映画に感化されたのかと思いきや、もとからそうだと言う。
 「要さんとはこの映画で初めてお会いしました。二の線(二枚目)の俳優さんだし、格闘技が趣味だっていうし、役者としてもプライド高そうだし、こちらが中途半端に演技すると怖そうだし。でも、実際は近所のアンちゃん(笑)。穏やかな方でね。主役だけにリーダーシップがあって、現場をいい雰囲気にしてくれます。それに撮影現場に慣れているのも助かりました、初心者が多いですから。この映画も要さんがいたからうまくいったと思います。彼、本当は二の線じゃありません。あれは笑いのツボを知ってます」
 共演はオーディションで選ばれた大村学と、女優の高橋真唯。
 「大村君は映画初出演。僕も初対面でした。右も左も分からないから、演技で分からないことがあると要さんに聞き、俺には来ない。新人からも下に見られているのか、と(笑)。オレもアドバイスするんですが、軽く受け流すばかり。高橋さんは代わっている子。ジッと俺を見てるので、何か言いたいことでもあんのかなぁ〜と思って話しかけると“何でもない”と。向こうも不思議な存在として、こっちを見てたんでしょうね。それに2人とも人見知りが激しいから会話が成立しないんです。目が合ったら会釈する程度(笑)」
 なぎら健壱、酒井敏也、板尾創路、カルーセル麻紀らの濃い面々が脇を固めている。特に先輩忍者役の板尾と繰り広げる“コンビ芸”は爆笑必至。
 「お笑いの世界に入る前から俺は板尾さんを好きだったんですが、実はバラエティー番組などで絡んだことが一度もないんですよ。緊張したけど楽しかったです。プライベートでお話しする機会はなかったんですが、2人で警官と対峙するラストシーンは打ち合わせも何もなく、アドリブで自由に演じました。俺は息が合うと思ったんですが、向こうはどうか分からないですね。逆にやりずらかったかも知れない。ぜひ、この2人でスピンアウト映画を撮りたいですよ」
 実写映画への出演は、過去にチョイ役はあっても、メーンキャストとして出演するのは初めて。
 「新鮮で楽しかったですね。待つのはつらいけど、ふだん会えない人と会えるのが楽しいし、次も…という欲が出る。楽しんでやりたいですね、優しい監督さんと(笑)。映画監督って怖いイメージがあるでしょ、裏側で怒鳴り散らしたりとか。ああいうのを見ているとやりたくないですね。いいよいいよ、と気分良く演じさせてくれるのなら。気を使わなきゃいけない大物俳優がいなくて、カワイイ娘に囲まれて、海外で1カ月ぐらいの長期ロケなら、互いに気心の知れた仲になれるんじゃないですかね。今回のロケは3週間、しかもほとんどロケバスの中にいましたから(笑)」
 本作の感想を聞くと「何度見ても内容のない映画だな」とのこと。もし続編のオファーがあったらどうするのだろう。
 「楽しかったらやります(笑)。ハマー役以外でもいいけど。でも、他の人が演じて上手だったらヤダな」
 最後にメッセージを。
 「この映画を見て“小木ってかわいいな、優しそうだな、男として魅力あるな、この人の彼女になりたいな”と思ってくれて結構!いや、あえて思って欲しい! 小木を注目して欲しい。このDVDを買っていただいて、小木の出るシーンまで早送りして下さい。10シーンぐらいあるので、そこだけ見ていただければ(笑)。そして小木を好きになって下さい!」

〈プロフィール〉
おぎ ひろあき 1971(昭和46)年8月16日生まれ、東京都出身。B型。T178、B90W85H93。趣味はサッカー、ゴルフ、ボウリング。高校時代からの友人だった矢作謙に誘われ、1995年「おぎやはぎ」を結成。M-1グランプリ2001に出場し、決勝10位。02年NHK新人演芸大賞特別審査員賞。06年10月10日に元歌手の森山奈歩と6年間の交際を経て結婚・入籍。

〈「ピューと吹く!ジャガー THE MOVIE」ストーリー〉
 高校卒業間近の酒留清彦(大村)はミュージシャンを志願。ギター1本で参加したオーディション会場で、たてぶえを持った一人の男が暴れていた。これがジャガージュン市(要潤)との出会いだった。
 オーディションの結果、清彦は芸能人養成所に入所するが、養成所の三太夫セガール(なぎら健壱)が連れて行った先は、なんと「ふえ科」。ギター科志願の清彦は憤慨するが、契約書には「ふえ科入学希望」の小さな文字が。しかも教室には、オーディションで出会ったジャガーが講師として待っていた。
 ジャガーから「ピヨ彦」と名付けられた清彦は、謎のヒップホップ忍者・ハマー(小木)や、謎のアイドル志望の女の子・高菜(高橋真唯)ら個性的な人間と出会い、いつしかふえ科になじんでしまう。
 しかし、三太夫セガールが赤字を理由に養成所の廃止を通告。数千万円の未納授業料を払えば存続させるが、払えなければ今後ふえ科のメンバーを音楽業界で生きていけなくすると脅迫。4人は資金を工面すべく、ある作戦を実行する。

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