今では「何でこうなってしまったのか?」としか言いようがない花田家の崩壊ぶり。その始まりは、言わずと知れた当事の貴花田と宮沢りえとの婚約破棄なのであるが、それよりも、花田兄弟と相撲について事態をこじらせてしまったのは、時期を同じくして兄・若乃花と結婚した花田美恵子さんだ。
少女雑誌の読者モデルだった華やかな経歴を持ち、元JAL(ここも今大変!)の客室常務員だった美恵子さんが若乃花と婚約したとき、彼女のぽかんとした表情や気の無い言動に一部のバッシングが起こる。当時の若の人気を考えると、それはファンの嫉妬からくるものと思われたが、実は多くの人がブラウン管の向こう側にいる“彼女の本質”を見抜いていたのかもしれない。
ブランド好きな美恵子さんは、「相撲部屋に嫁ぐ」という自覚が全く無い女性だった。若い女性が深く現実を考えないで結婚してもそれは不思議ではないが、とにかく相撲部屋の表面上の華やかさには憧れるが、裏の苦労を知ろうとしなかった。彼女は潜在的にブランドものに囲まれ、美しい自分を認めてもらい、家庭第一な生活がしたいという「セレブ妻」欲求が強く、それは、後に貴乃花と結婚した元女子アナウンサーの河野景子以上かもしれない。
後に部屋を出てしまった花田兄弟の母親・憲子(現在はタレントとして活動。)も、最初は相撲部屋のおかみになる心得を長男の嫁である美恵子さんに教えようとした。が、子育てに負われる嫁は結局、相撲に関わろうとしなかった。ある時、横綱であった若が優勝した時に涙を流した嫁を見て、憲子は「あの子(美恵子さん)がめずらしく喜んでいる。」とインタビューで洩らしている。長男の嫁である美恵子さんがもっと相撲に理解のある女性だったら、いずれ崩壊するにしても、もう少し事情は違っていただろう。
現在ハワイで子供たちと生活をする「セレブ主婦」のイメージ作りも、離婚前から計算されていたと思われる。
「角界のプリンス」と呼ばれた二子山親方の葬儀をめぐり、兄弟のゴダゴタが発覚した時、愛犬を連れ、Tシャツ・ジーパン姿で報道陣の前に姿を表した当時の美恵子夫人は、偶然を装いつつも、カメラを意識したメイク、スキのないスタイルを披露した。本来はとても出たがりな女性なのである。このラフに見せて気を抜かない彼女のオシャレに人気が集まり、主婦雑誌での連載も好調。「セレブ主婦」としてのイメージ作りが完成した。
何もわからない若いスッチーが、相撲取りと結婚して、子供を四人産み、夫に浮気され、「苦労して強くなった」というイメージであるが、彼女は決して何もわからない無邪気な女性ではなく、自分もシッカリ浮気もしているし、もともと強い女性だったのだ。夫に養育費を出させて、自分はいつまでも若く美しい女性として注目されたいという欲を“超一流”に持っていたという事。大人しめな容姿がそれをわかりにくくしていただけだ。
最近、篠山紀信が撮影したグラビアなどで週刊誌からもガッポリギャラを稼ぎ、遠い海の向こうで送る自適生活から見る、元嫁ぎ先の騒動や、夫の商売の経営難はさぞいい眺めであろう。