検察側は、あおり運転によって高速道路上で車を停止させられ、その後に起きた追突事故は因果関係があるなどとして、懲役23年を求刑。一方、弁護側は「因果関係は認められず、法の解釈は曲げられない」と、危険運転致死傷罪は適用できないと主張していた。
判決は、危険運転致死傷罪が停車後の事故にも適用されると判断されたようだ。
今回の事件は、執拗に運転を妨害し、さらには高速道路の追い越し車線に車を停めさせるなど、その極めて悪質な行為に対して世間からは批判が集まった。しかし、これは決して他人事ではない。運転中にあおり行為を受けたことがある人は、実際多いだろう。
では、どんな人があおり行為を受けやすいのか。
〇運転弱者
初心者や高齢者、運転があまり得意でない女性などが狙われやすい。運転に不慣れなため、スムーズな動きがうまくできず、周囲のドライバーがイライラし、あおりのきっかけになるのだ。中には、「初心者マーク」「シルバーマーク」を付けると、あおられる確率が多くなると主張する人もいる。
〇軽自動車やコンパクトカー
軽自動車などサイズの小さい車があおり運転を受けやすい傾向にある。特に高速道路では低パワーなことから加速や速度が遅いと勘違いされることも。
〇急な割込みや車線変更
後方をよく確認せずに急に車線変更したり、割り込み運転を行うなどの危険行為は、あおり行為を受けやすい。また、その逆に突然の割り込みにクラクションを鳴らすなど、注意喚起したことにより相手から逆恨みされるケースもある。
「ドライバーの約7割超があおり運転を受けたことがあるといいます。道をふさがれて相手から金銭を要求されたり、窓から物を投げ付けられた人もいるとか。こういった被害に遭わないためには、“車間距離をしっかり取る”“ウインカーは早めに出す”“急な割込みをしない”など、安全運転を心掛けるようにしましょう。これだけでも危険なあおり行為をかなり予防できますよ」(自動車評論家)
また、イザというときのためにドライブレコーダーの装着はもはや必須と言ってもいい。あおり運転を受けたときだけでなく、もらい事故や突然の飛び出しなど、事故にあったときの有力な証拠にもなる。
年末年始は車で帰省する人も多いだろう。無駄な事故に巻き込まれないためにも、くれぐれも安全運転を心掛けてほしい。