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ローカル回想記 北の大地をわかせたレディブロンド

 2003年夏…彗星のように出現し、流れ星のように消えていった馬がいた。レディブロンドのことである。それはひと夏のメークドラマだった。
 5歳の夏、函館でデビューしたレディブロンドはいきなり、1000万特別「TVh杯」(芝1200m)を快勝する離れ業を演じ、周囲の度肝を抜いた。それにしても、よその厩舎だったらここまで辛抱強く待てただろうか?。
 “千里の馬は常にあれども伯楽は常にはあらず”。才能のある人材はたくさんいるが、その才能を引き出す指導者は少ないという意味である。厩舎の番頭格である葛西助手は「全体的に弱かったが、走るのは分かっていたのでテキ(藤沢和師)と、オーナーが相談して5歳まで待った」とデビューが遅れた経緯を話した。これこそ、当代随一の名伯楽・藤沢和師の面目躍如である。
 TVh杯を皮切りに瞬く間に特別5連勝を達成。無限の才能を余すところなく発揮した。レディブロンドの華々しい活躍は、ファンに夏の夜空を彩る打ち上げ花火を彷彿(ほうふつ)させた。
 スティンガー、シンコウラブリイ、ダンスインザムード。藤沢和厩舎が輩出した牝馬のGI馬はキラ星のごとくいるが、「それらと比較しても遜色ない」と葛西助手は断言する。そして、衝撃的なデビューから、わずか3カ月後に『その時』は訪れた。
 母ウインドインハーヘア(Wind in Her Hair)が死亡。その後継馬として繁殖入りを余儀なくされる。「まだまだ活躍できた」(葛西助手)と惜しまれながら、連闘で挑み、初めて土がついた03年スプリンターズS(4着)が最後のレースになった。
 不世出の名馬ディープインパクト(父サンデーサイレンス)の半姉としても、その名は永遠に不滅だ。現在は母親になり初仔(牡、父ジャングルポケット)が今年デビューする。新たなる“衝撃”との出会いが待ち遠しい。

 レディブロンド 1998年3月20日生まれ/美浦・藤沢和雄厩舎/父Seeking the Gold/母Wind in Her Hair/牝/鹿毛/生産者=Orpendale & Barronst(米)/馬主=ロードホースクラブ/競走成績=6戦5勝/獲得賞金=8767万3000円

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