中心になる薬剤として、リウマトレックスなどの抗リウマチ薬があります。さらに、高価ですがエンブレル、レミケード、アクテムラなどの生物学的製剤(バイオ)やゼルヤンツ、オルミエントなどの分子標的型低分子化合物といわれる劇的に効果のある薬剤が使用可能になっています。広い意味でいえば、抗リウマチ薬に入るステロイドホルモンは短時間で効果が出ますが、長期使用による副作用のため、最近は使用量が減りつつあります。また、ロキソニンやボルタレンといった非ステロイド系消炎鎮痛薬は痛みや腫れを少なくしますが、リウマチそのものを治すわけではなく、胃潰瘍や腎障害の副作用にも気をつけないといけません。
関節の変形が高度な場合などには人工関節などの手術療法が効果的です。その他の保存的治療として、リハビリや装具療法があります。安静にしたままだと関節が硬くなって動きにくくなってしまうので、1日1〜2回程度、体の様々な関節を動かす必要があります。また、筋力が弱くなりがちなので、筋力維持のために体操も行いましょう。
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監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPはhttps://ijiri.jp