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放置厳禁 痛みの裏に「認知症」も隠れてる! 馬鹿にできない「胃炎」の脅威(1)

 食事はしているのに体に力が入らない。胃がもたれる、ボーッとする。しかも痩せてきた−−。胃の不調は、“よくあること”と放置されがちだが、軽く考えていると痛い目に遭うかもしれない。
 「症状が消えても、治ったとは限りません。気づかないうちに胃の粘膜がただれ、びらん状態(上皮が欠損した状態)になり、胃炎や手術が必要な重度の胃・十二指腸潰瘍に至るケースは多いのです」

 こう警告するのは、都内で医療総合クリニックを営む医学博士・久富茂樹院長だ。
 同院長によれば、ピロリ菌除菌治療やさまざまな胃薬の登場で、胃・十二指腸潰瘍はこの20数年で治りやすくなっているが、重症の患者がいまだに多いという。

 最近、検査した男性もそうだった。
 「定期検診で胃カメラ検査を行うと、十二指腸から出血が認められたのです。十二指腸潰瘍です。本人は以前何度か胃の不調がありましたが、検査はしたことがなく放っておいたと仰る。めまいや貧血もあったそうですが、潰瘍が原因とは、まったく思ってもみなかったようです」(久富院長)
 結局、その男性は手術を受けることになった。定期検診がなければ、さらに発見が遅れ、大きな手術になったかもしれないという。

 ストレス社会の今、胃のダメージがまったくないという人はいないだろう。
 「患者さんのほとんどは、ストレスによる自律神経の乱れが原因です。胃酸が過剰に分泌されるだけでなく、胃酸から胃の粘膜を守る胃粘液量が少なくなるので、粘膜の上皮が傷つきやすくなり、炎症、つまり、胃炎が起きてしまうのです」(同)

 しかし、初期症状はそれほど強くないことが多い。胃のムカムカ感、軽い胃痛などだ。しばらくすると症状は治まってしまうが、ストレスの原因が解消されない限り何度も同じサイクルを繰り返すという。
 久富院長によれば、胃炎を何度も起こすと、知覚神経の感受性が鈍くなるので痛みを感知しにくくなり、不調に慣れが生じてしまう。そのため、本人が症状をあまり重視しなくなり、胃・十二指腸潰瘍を悪化してしまうケースがあるという。
 しかし、こうした人を検査してみると、既に潰瘍を起こしている。ひどいケースでは、吐血して病院に救急搬送されるまで放置していたために、胃や十二指腸に穴が開いてしまった人もいるというから怖い。

 複雑なのは胃炎、そして胃・十二指腸潰瘍の原因のストレスが、精神的なものに限らない点。肉体的な原因、例えば「残業続き」「睡眠不足が続いている」「連日の飲み会」といった人も危ない。「俺は大丈夫」と思っていても、実態は違っているのだ。
 「胃炎の段階なら薬で治り、手術の必要もありません。ですから大切なことは、胃炎を繰り返さないこと。一度でも胃の不調があったら、病院で診てもらうか、適切な薬を薬剤師さんに選んでもらうことが大事になります」(前出・久富院長)

 特に、薬に対する素人判断は禁物だ。例えば、胃の膨張感一つをとっても、胃酸の分泌を促す薬と抑える薬がある。自分の原因がどちらなのか正しく判断しないで薬を選ぶと、かえって症状を悪化させてしまい、胃の小さな変化を見逃してしまうことになる。

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