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中山牝馬S(GIII、中山芝1800メートル、15日) キストゥヘヴン 有終V飾る

 昨秋の京成杯AHを優勝。約2年5カ月ぶりに勝利の美酒を味わった2006年の桜花賞馬キストゥヘヴン。

 しかし、これで燃え尽きてしまったのか、その後は(5)(13)(10)着。不振の原因を担当の小田調教厩務員は、次のように説明した。「前々走のマイルCSは目に見えない疲れがあったようです。前走の東京新聞杯は、気持ち重かった(8キロ増)ですね」。今年で6歳を迎えたが、年齢的な衰えはないという。
 「今回は絞れているし、気合も入ってきました。そばに馬がくると向かっていくような闘争本能がよみがえりましたよ(笑)」と巻き返しに意欲を燃やす。
 それを証明するように、5日の1週前追いは美浦ポリトラックで鋭い動きを披露。状態の良さが手に取るように伝わってきた。

 同厩のキャスタスペルミー(古馬500万)との併せ馬。5Fから4馬身追いかけ、4角で内から合体。ラスト1Fでゴーサインが出ると瞬時に反応し、最後は余力十分に1馬身1/2先着してみせた。5F65秒3→50秒5→37秒2→12秒0とタイムも上々だ。
 中山牝馬Sは3年連続の挑戦になる。ここまで5着(1着マイネサマンサ0秒1差)、3着(1着ヤマニンメルベイユ、0秒3差)と成績を上げてきており、三度目の正直を果たすチャンスがめぐってきた。
 小田調教厩務員は不退転の決意を示す。「社台(ノーザンファーム)の牝馬は6歳春に繁殖入りしているので、この馬も例外ではないはず。これが引退レースになるでしょう。だから、悔いが残らないように、こん身の仕上げで臨みますよ」
 思い起こせば中山は、フラワーC、京成杯AHの2重賞を含め計3勝を挙げている。絶好調の横山典騎手を鞍上に迎え、思い出がギッシリ詰まった舞台で、引退の花道を飾るか。

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