首相による造反組“斬首刑”予告は同日夜、首相官邸で記者団に囲まれた際に飛び出したもの。定額給付金を盛り込んだ2008年度第2次補正予算案の採決などで造反があった場合、「その段階で党執行部がしかるべき対処をする」と厳正に処分する考えを示した。
党内には渡辺氏の行動に共感を覚える議員もおり、あとに造反組が続かないとも限らない。首相は、公然と反旗を翻した渡辺氏を「党できちんとまとめた話に反したわけだから、党員としてはいかがなものか」と批判。造反予備軍について「もっと(造反の)輪が広がる感じはない」と述べ、不穏な動きを封じ込めようと躍起だった。
渡辺氏の“スタンドプレー”は想定内の行動だった。党としては過剰に反応するのは得策でないとの判断から、軽い処分にとどめたとみられる。それでも首相は腹わたが怒りで煮えたぎっているのだろう。造反の瞬間には、腕組みして苦笑いでごまかした首相が、不快感を示した。