出場歌手の記者会見で、選考の方法について、同番組のプロデューサーは、「今年の活躍、世論の支持、番組の企画・演出」を前提に選考したと発表している。そんな中、SKE48やHKT48、ももいろクローバーZ、そしてきゃりーぱみゅぱみゅなど、昨年出場を果たしながら、今回は落選となったメンバーと比べ、ネット上では、「和田アキ子が出場できて、なぜ落ちたのか」とファンは怒り心頭だ。まるで、出場できなかった怒りを和田アキ子にぶつけているような勢いだ。
紅白歌合戦での和田不要論が盛り上がったのは2013年頃から。ある雑誌での「見たくない紅白出場歌手ランキング」では第1位となり、CDの売り上げも年間で1000枚以下とされる和田への風当たりは強くなった。そして、今年10月には一部夕刊紙で“和田アキ子 紅白ピンチ”との報道も飛び出した。
和田アキ子は1968年に「和製リズム・アンド・ブルースの女王」とのキャッチフレーズで、「星空の孤独」でレコードデビュー。1972年には、「あの鐘を鳴らすのはあなた」で第14回日本レコード大賞最優秀歌唱賞を受賞。ちなみに、彼女のヒット作とも呼べる同曲だが、当時の音楽チャートでも53位と奮っていない。さらに、他にも和田の知られている曲も「笑って許して」が11位、「古い日記」が44位。音楽チャートがミュージシャンとしてのすべての結果とは言えないものの、決して大ヒットを生み出す歌手ではない。和田の歌唱力は誰もが認めるところだが、データとしては以上の結果だ。
歌手というよりも、彼女を芸能界のトップに押し上げたのは、バラエティ番組での活躍だろう。日本テレビ『金曜10時!うわさのチャンネル!!』に出演し、番組内で「ゴッド姉ちゃん」と呼ばれ、強くて怖いというイメージが世間に浸透した。そのイメージは現在も続く冠番組TBS『アッコにおまかせ!』でも引き継がれている。しかし、最近はこのイメージだけが先行することで、いわば“アンチ”を増やしてしまっているというのも現実だ。ただ、そんな和田は、囲み取材などでの対応は非常に記者に協力的で評判は決して悪くない。少し過激でエラそうなコメントが目立つこともあるが、それも、「取材記者の期待に応えたい」との思いがあるようだ。
ちなみに、ここ数年、和田アキ子の紅白出場が決まるとバッシングともいえるコメントがネット上をにぎわすことが恒例だが、今回はちょっと違う。もう一人、和田と同じようにバッシングを近藤真彦もうけている。その理由は、「今さら、あんな下手な歌を聞きたくない」というもの。「出場は和田アキ子以上に不可思議」と散々な言われようだ。
いっそのこと、今回はそれぞれ紅組白組で、和田アキ子と近藤真彦の歌う順番を同じにして、嫌われモノ対決をしてみるのも面白いかも?