関西拠点のピーチ・アビエーションが、病欠する機長が要員計画上の想定を超えて発生し、予定した新規の機長の確保が当初見通しを下回ったため、5月19日から10月25日までの間、2000便以上を欠航することになったが、これだけでは終わらなかった。
ANA傘下で成田を拠点とするバニラ・エアも、ピーチ同様に、機長の人員が確保できなかったため、6月に154便を欠航させることを決めた。欠航する路線は成田〜那覇、成田〜新千歳。7月以降は計画通り運航するとしている。
関係者によると、バニラ・エアには約60人のパイロットがいるが、退職などの理由で、6月の1カ月間は一時的に機長が不足するという。
さらに、ピーチでは機長不足のため、8月に56便を追加で欠航すると発表した。新たな欠航は那覇〜台北便。理由は他社から移籍した2人の機長を、7月末から乗務できるように訓練中だったが、5月になって退職を申し出たという。
また、こちらは機長不足ではないが、成田拠点のジェットスター・ジャパンが、新たに整備拠点とする関西空港で準備の遅れから、6月3日に予定していた増便を9日間延期することになり、この影響で、すでに予約を受け付けている101便の運休を決めた。欠航するのは成田〜福岡、成田〜那覇、成田〜関西、関西〜那覇、関西〜福岡の各路線の一部。
航空業界ではLCCの参入により、大手との激しい集客合戦がぼっ発している。その一方で、LCCはパイロットの確保、養成が追い付かず、機長不足が深刻化している。
(蔵元英二)