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称賛を集めた宮迫・亮の謝罪会見、女性を中心に「亮が怖い」の声が集まったワケ

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ロンドンブーツ1号2号・田村亮

 雨上がり決死隊・宮迫博之とロンドンブーツ1号2号・田村亮らの闇営業問題に端を発する吉本興業の騒動は、芸能界の価値観を揺るがす大きな問題となり、いまだその余波が絶えない。ネット配信で生中継された2人の謝罪会見の模様は多くの人に視聴され、特に女性を中心に興味深い反応が見られた。その反応の多様性から社会のひずみをも垣間見ることができた。宮迫・亮会見後のSNSでは、2人を擁護する声が多く、特に、「亮くんのピュアさに一緒に号泣した!」「また芸能界で頑張ってほしい」など涙ながらに吉本興業への疑問を投げかける亮のピュアな姿に同情して、応援するコメントが多く集まった。

 その一方で、47歳になる亮の感情露わに爆弾発言をする姿に違和感を覚える声も上がっている。会見での亮の言動に、ネットでは「嫁が、亮が見た目はオジサンなのにピュアすぎて怖いと言ってる」「いい人なんだろうけど50手前の大人の男としては、正直どうだろう」「40超えたいい大人がすみませんでした〜(涙) みたいなつたない感じでピュアだと許されてるのもどうかな」「正直者すぎてこの先が不安になる」「みんな亮にほだされてるけど、おっさんのくせにメソメソ、子供みたいな言葉選び、ヤバくない?」など辛辣な意見が、特に女性を中心に見られた。

 2017年に発表された筑波大学所属の特別研究員・渡邊寛の論文「多様化する男性役割の構造」によると、ジェンダー心理学では「女性的だと思う行動をしている男性には困る」や「泣く男性に困惑する」等、伝統的な男性像を維持しようとする傾向が論じられている。今回の亮の会見内容に女性が感じる違和感は、男性が公の場で涙を流すことと、50歳前の男性が会社を感情的に批判している、という2点が挙げられる。男女平等が叫ばれながらも、いまだ伝統的な男性の役割が期待されていると言えるのだ。特に女性からの批判の声が大きいというのは、一家の大黒柱として、また父親としての役割を果たしていないことへの不満が陰に見え隠れしている。

 2018年に実施された明治安田生命の『夫婦に関するアンケート』において、妻が夫に求める条件は、1位は健康、2位は経済力、3位にはやさしさとなっている。多くの人が経済力を求めており、情けない姿を見ると不安になるというのが本心ではないだろうか。

 以上のデータを見ると、「ただやさしく元気に稼いできてほしい」というのが本音のようだ。1986年の流行語の「亭主元気で留守がいい」とさほど変わらない価値観がいまだ残っていると言える。アラサー以上の女性にとって、亮の子供のようなピュアさは、求める男性像とは真逆となってしまうことが、違和感や不安感につながったのである。そこには、もしかすると吉本興業の契約問題と同じくらい、古い価値観が残っているのかもしれない。

記事内の引用について
2017年発表「多様化する男性役割の構造」渡邊寛

2018年実施 明治安田生命「いい夫婦に関するアンケート」
https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2018/pdf/20181115_01.pdf

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