福島テレビオープンを大外一気の差し切りで快勝。これまでの逃げ馬のイメージを完全に払しょくしたユメノシルシ。
「千八がどうかなというのがあったし、ウチのは外枠で内の方に行きそうな馬がいたからね。最初から中団くらいの予定だった。先を考えて、いろいろやってみようということ。うまくいった」と大久保洋師。「まだもまれた時にどうなるかは分からないが、競馬の幅が広がったのは確か。行く馬がいなければ行ってもいいし、逆なら抑える形でとね」
これで今年に入って6戦4勝、2着1回の充実ぶり。唯一、連対を外したのが春の天皇賞(15着)だが、それも「実になっている」と師はいう。「強いステージで、厳しい競馬を経験して鍛えられるということはあるんだよ」
暑い時季の中1週。強行軍の形になるが、「順調にきているし、もともと前走時が七夕賞を使うつもりで余裕をもたせたつくりだったから心配ない」と師。「距離が延びるのは歓迎材料だし、時計のかかり出した馬場も合う。ハンデ(56kg)もこんなもんだろう。全力投球でいく」と力強く締めた。
優勝賞金5000万円がかかるサマー2000シリーズの開幕戦。夢は始まったばかりだ。
【最終追いVTR】吉田豊騎手を背にWコースで併せ馬。6Fで1馬身追走したトウショウコーラルに4角でいったん追いつくと再び相手を前に行かせてからゴーサイン。ラスト1Fで2馬身ほどあった差を一気に詰めて併入した。切れ味は上々で中1週も気配は良好だ。