ブラトップは昨年300万枚を販売し、同6月には品薄状態になったユニクロのヒット商品の一つ。トップスとブラジャーの機能を併せ持つブラカップが最大の特長で、肩ヒモや背中のホックがなく、従来の締め付け力の強いブラと比べ解放感が高いとされる。
同社は今夏、昨夏の3倍に当たる900万枚を販売する方針。このうち50万枚は中国や英国、米国など海外で売り出す。従来のキャミソールやタンクトップに加え、ワンピースなど新しいタイプも用意するという。
得意とする多彩なカラーリング戦略も駆使し、最大で14色のバリエーションをそろえる。欧米の女性は“乳首ポッチ”に寛容なイメージがあるが、ブラトップは内蔵カップがガードするためその心配はなし。世界中のおしゃれな女性の消費者マインドに火をつけそうだ。
グループ売上高1兆円を目指す同社は、2020年には世界一のアパレル製造小売グループになるという長期目標を設定中。同社ホームページで柳井正会長兼社長は「国内ユニクロは、やり方次第でまだまだ成長の余地がある。引き続き店舗の大型化を進めると同時に、ウィメンズ商品の拡充に力を注ぐ」などと女性重視の市場戦略を語っている。
世界同時不況とあって、輸出業の海外戦略は困難をきわめている。そうした中、技術力に定評のある下着業界が世界展開をはかるのは画期的。国内需要を揺り起こし、国内経済を刺激する効果も期待できる。
ちなみに同社のイメージキャラクターは、これまでブラトップキャンペーンをけん引してきた女優吹石一恵さんから、女優の栗山千明さんにバトンタッチ。13日には、都内で開かれた発表会に栗山さんがブラトップのキャミソール姿で登場。栗山さんは「シンプルだけどスタイリッシュ」とアピールした。日本発のブラ革命は世界の下着市場を塗り替えるか。ブラトップから目が離せない。