8日、都立善福寺川緑地(杉並区)で、桜が見頃を迎えていた。善福寺川緑地は、善福寺川の川沿い約4キロに広がっている。
善福寺川は「善福寺公園」にある善福寺池を水源とし、杉並区を蛇行して流れる。「井の頭公園」の井の頭池から源を発する神田川と平行する。
善福寺川周辺には、都内で初めて方形周溝墓が発掘された大宮遺跡や、先土器時代(約2万年前)の遺物も出土している松ノ木遺跡等がある。善福寺川の豊富な水源のもと、古くから狩猟・採集生活が営まれていたものと推測されている。また、善福寺川が蛇行する様子は、丘や雑木林に覆われていた武蔵野台地のなごり。
8日の東京地方の最高気温は19度を下回った。20度を超えた前日7日よりも肌寒く、曇り空。それに風も強い。しかし、善福寺川緑地の桜並木は一斉に花を咲かせ、川面に花びらを飛ばしていた。また、ギョイコウザクラやウコンザクラという緑色の花びらの珍しい桜も見られた。
平日昼間という時間帯の影響もあり、シートを広げ花見をするグループは少なかった。小さな子どもを連れた家族やカップルが多かった。屋台や露店の店員の話を総合すると、「井の頭公園」や「上野公園」等と違い、地元住民が花見の中心となるような場所では具体的な自粛要請はないそうだ。善福寺川緑地にも看板は見当たらず、仮設トイレも分別ゴミ置き場も設置されていた。しかし、今年は、花見をする人が少なく、してもみな帰る時間が早いという。
9日・10日の土日とその前後から、都内各地で、桜が満開を迎える。(竹内みちまろ)