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刈羽の教訓は生かされたか(2)

 中越地震の際の刈羽原発事故(正確な基準では軽度の事故は、事象、とか言うそうだが)のことをもう少し振り返ってみる。

 当時発表された損傷箇所に、蒸気タービン発電機(電力供給用)励磁変圧器損傷、というものがある。この時、タービンの一部のシール剤部分のトラブルによって排気口から放射性ガスが漏れた、という事故も起こった。
 事故当時の前出・ニューズウイーク日本語版の記事にも、主蒸気管(原子炉から発電用タービンに蒸気を送る。)の破断し一気に炉内から汚染蒸気が噴出すると直ぐに燃料棒が空焚きになる、というメルトダウン事故想定が、記されていた。
 あらためて、電気系統の故障が炉の水の冷却系トラブルにつながっていたのでは、ということも想起させるのだ。

 いっぽうで当時、点検で停止中の刈羽6号炉から、1.2トンの水が海に放出されたが、直ぐには発表せず。

 今、福嶋第一原発は地面が割れたそうだから、きっと冷却水は海にも大量に漏れているのかもしれないし、こういった点や魚への影響なども、21日未明の原子力安全・保安院の会見では、「確認中」とのこと。何より、今回既に出続けているアノ白い蒸気は危険なものなのだろうか、もし、そうだとしたら、どれくらい危険なものなのだろう。そして、いつまで出続けるのだろうか。

 さらに、刈羽では、発電所内の電源復旧作業に時間がかかり、炉心に手をつけられない状態が続いた。その際、原発内部では、照明・空調・排気設備(今懸案のポンプのこと?)・施設内装備・制御盤といった、それぞれ一部に、損傷が生じていたのだ。そして、電源の復旧とともに、これらの復旧にも時間がかかった、のである。
 刈羽と符合することがたくさんあるが、冷却作業を迅速に進めるためにも、日本のすべての国力を結集するためにも、これから大事なのは積極的な情報の開示であろう。(蟹山)

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