さすがの快速馬ローレルゲレイロもお天気には勝てなかった。
「開幕週のいい馬場を狙って送り出したのにね。あの不良馬場ではどうしようもない。稍重までなら何とか辛抱できたんだけど、参考外のレースになってしまった」と昆調教師は苦笑いを浮かべた。
前走の東京新聞杯。ゲレイロはいつものように果敢にハナを切ったが、あえなく13着に失速した。昨年に続き連覇を狙ったが、不良馬場にすべてを奪われた。
それだけに、この阪急杯は仕切り直しの一戦。昨年は東京新聞杯から阪急杯を連勝した勢いで高松宮記念に進んだが、今年も何とかあのころの自信を取り戻したい。
中間はここを目指して入念な乗り込みを続けてきた。休み明けだった前走時も坂路で好タイムをマークしてきっちり仕上がっていたが、1度使われた効果はやはり小さくなかった。
1週前は18日の栗東坂路。相変わらずパワフルなフットワークで800メートルから51秒8→37秒7→12秒7を楽々計時してみせた。「状態は万全といっていい。坂路ではいつも速い時計で動くけど、今回もすごく良かった」とトレーナーはうなずいた。
東京新聞杯に続き、阪急杯も開幕の阪神。「スピード馬場を狙って今回も出走する。昨年もスズカフェニックスを封じ込んだように、千四は本当に安定している。とにかく良馬場なら前走のようなことはない」と言い切った。
昨年はNHKマイルCとダービーを制したディープスカイで大ブレークした昆師だが、ゲレイロは厩舎に重賞初制覇をもたらしてくれた思い入れの強い馬。この馬でもGIを獲りたい…の思いは当然強い。
「春の目標は高松宮記念になる。だけど、今の賞金では出走できるか微妙だからね。何とかここで賞金を加算する必要がある」と口元を引き締めた。
前哨戦とはいえ、単なる叩き台ではない。勝つことが、絶対条件だ。