海外ニュースサイト『USA TODAY』は、米ユタ州オレムのゴルフ場で、父親の打ったゴルフボールが、娘の後頭部に直撃して、娘が死亡する事故が発生したと7月17日報じた。
同記事によると、7月15日の朝、ケレン・ヒルさんは、ケレンさんの兄弟のブレイデンさん、ケレンさんの6歳になる娘のアリアちゃんと3人でユタ州のゴルフ場でゴルフを楽しんでいたという。ケレンさんがティーショットを打った際に、ゴルフカートの中で待っていたアリアちゃんの後頭部にゴルフボールが直撃。アリアちゃんは危篤状態であり、すぐさま救急車で地元の病院へ搬送され、その後ヘリコプターでソルトレイク市の病院まで運ばれたが、その日の夜に亡くなったという。
オレム警察のトレント・コレッジ警部補の発表によると、緊急通報が入ったのは、午前10時25分頃。ケレンさんの打ったボールは、ミスショットになってしまったが、勢いよく飛んでアリアちゃんの後頭部と首の付け根付近に直撃したという。最終的に搬送されたソルトレイク市の子供病院では、死因は頭部外傷によるものと確認されたという。警察では、本件を事故と見ており、ケレンさんの立件を見送る方針だという。
アリアちゃんの叔父デビット・スミスさんは、「アリアは、ケレンのゴルフ仲間でした。ケレンと一緒にゴルフに行くのが大好きで、いつもカートに座って楽しそうに眺めていた。2人にとって、ゴルフは特別なものでした」と同記事の取材に対し語った。
このニュースが世界に広がると、ネット上では、「何とも痛ましい事故。自分がこの父親だったら立ち直れない」「悲劇としか言いようがない。アリアちゃんのご冥福をお祈り申し上げます」「こんなニュースは聞きたくない。亡くなった少女の家族を思うと胸が張り裂けそうだ」「私も子供をゴルフに連れていくが、今後は止めようかと思う」など、さまざまな声が上がった。
日本でもゴルフをプレイ中に、ゴルフボールが当たって死亡した例は報告されている。『週刊ゴルフダイジェスト』(ゴルフダイジェスト社)の2002年5月21日付記事で、2002年4月に静岡県で同伴プレイヤーの会社員の男性の頭部に、ゴルフボールが直撃して死亡した例や、同じく『週刊ゴルフダイジェスト』の2007年6月28日の記事でも、2007年6月に熊本県のゴルフ場で、20m〜30m手前に立っていた58歳男性の同伴プレイヤーのこめかみに、ゴルフボールが直撃して死亡した例が報告されている。プレイをしない同伴者が死亡した例は、日本では確認されていないようだ。日本のゴルフ場では、ラウンドを回る場合、安全上の理由から、プレイをしない人に対して、入場制限を課すゴルフ場が大半なので、死亡者がいない一因だとの説もあるようだ。一方、アメリカのゴルフ場は、出入りが比較的自由であり、同伴も可能なようだ。
ゴルフ場のような一定のリスクが存在する場所に、子供を連れていく場合には、親は注意を怠ってはいけない。
記事内の引用について
6-year-old girl who died after 'tragic' golf ball accident was full of joy and compassion'(USA TODAYより)
https://www.usatoday.com/story/news/nation/2019/07/17/6-year-old-girl-dies-orem-utah-after-being-struck-golf-ball/1753955001/
ラウンド中の打球事故で会社員が死亡(週刊ゴルフダイジェストより)
https://www.golfdigest.co.jp/digest/column/back9/2002/20020521b.asp
ゴルフ場で打球が当たって死亡事故に 賠償金とゴルファー保険のケーススタディ(週刊ゴルフダイジェストより)
https://www.golfdigest.co.jp/digest/column/back9/2007/20070710c.asp