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北九州記念 夏馬スピニングノアールが一変ムード

 電撃の差しが決まるか。昨年からスプリント戦に衣がえした「第42回北九州記念」(JpnIII 小倉芝1200m 12日)。開催後半で追い込みが決まりやすい馬場を味方に、スピニングノアールが一気の決着を狙う。苦手の道悪でも大崩れしなかった前走・アイビスSDが地力強化の証し。JRA全10場での重賞制覇を目指す蛯名騎手が小倉にやってくるのも勝利の確信を得たからこそだ。
 意気込みが伝わってきた。「蛯名が自ら乗せてくれといってきた。それだけ色気があるんだろう」と中川助手がうなずいた。JRA全10場での重賞制覇を狙う蛯名にとって、スピニングノアールで挑む北九州記念は実に魅力的に映ったようだ。
 その手応えを得たのが前走のアイビスSDだった。6着と結果自体は地味だったが、当日は台風の影響で苦手の道悪。それでも大崩れせず、サンアディユから0秒3差に踏ん張った。
 しかも、「先行した速い馬が途中で下がって、前をふさがれた。馬場を気にするか心配だったんだけど、そんなところはまったくなかったし、あの不利の分の負けだったね」と振り返った。
 その様子をつぶさに見ていたのがすぐ後ろの位置取りからモルテグランデで7着した蛯名だった。「得意の平坦小回りなら…」そう確信を得た。
 中間は目立った時計こそ出ていないが、馬体の張りは素晴らしい。短距離馬らしい筋肉の詰まった馬体にはほれぼれさせられる。
 「大きく変わったところはないけど、間隔をあけてじっくり使えているのがいいんでしょう。夏場は強いし、非常にいい汗をかいている」と中川助手は日焼けした顔をほころばせた。
 サマー小倉も後半。馬場は外差しが決まり出した。ノアールにとって絶好の条件だ。「アストンマーチャンとか速い馬がそろった。流れも向きそうだね。56kgのハンデなら」初重賞制覇のお膳立ては整っている。

 【最終追いVTR】栗東CWコースで単走。前半は折り合いに専念して4角手前からスピードアップ。直線ではムチが3、4発叩き込まれた。ラスト1Fは12秒7秒とかかったが、これはいつものこと。むしろ反応は前走より良くなっている感じで絶好の仕上がりだ。

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