超のつく高額所得者ながら出費も派手だったマイケルさんだけに、正確な遺産総額を算出するのは難しい。一説には巨額の借金を棒引きしても5億ドル(約480億円)は下らないといわれる。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、マイケルさんは1980年代以降、ヒットメーカーとして7億ドルを稼いだ半面、不動産や美術工芸品、絵画を購入するなど長年の浪費がたたって4億〜5億ドルの借金があるという。そうだとしても差し引き2億ドルは残る計算。さらに急死後、世界中でCDなど関連商品が爆発的売れ行きをみせており、新たに莫大な収入が生じることは確実だ。
マイケルさんはこうした遺産をだれにどう残すつもりだったのか? 遺書がなければ法的手順にのっとって遺族に分配されることになる。
一部の米メディアは、マイケルさんが生前から遺書をしたためていたとしたうえで、2002年に書いたとする“最後の遺書”の内容を報道。それによると、遺産相続人に指名されたのはマイケルさんの母親キャサリンさんと子ども3人、慈善団体などにも分け与えるとしている。かねて仲たがいが指摘されていた父親ジョセフさんに対する遺産分割はないという。
マイケルさんの弁護人がロス地裁に提出する遺言書と同一ならば、ジョセフさんにはビタ一文渡らないことになる。
母キャサリンさんは29日、遺産管理人への指名をロス地裁に申し立て済み。マイケルさんの前妻らとの間に生まれた3人の子供については、キャサリンさんを一時的な後見人と認めている。
マイケルさんには前妻デビー・ローさんとの間に生まれた12歳と11歳の子供のほか、母親が公表されていない7歳の子供がいる。子供3人は現在、キャサリンさんと暮らしているという。ロサンゼルス・タイムズ紙(電子版)によると、ローさん側も子供の後見人に関する対応を検討しているという。
マイケルさんの弁護士は2日にも遺書の写しを裁判所に提出する意向という。遺書は本物なのか偽モノか。申し立てに対する審理は7月6日に開かれる。