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GIII アーリントンC 本田ゲレイロ 有終

 昨年のオープニング阪神は騎手引退を目前に控えた松永幹現調教師が、「阪急杯」で“奇跡のライディング”(1着ブルーショットガン騎乗)を演じ、幕を閉じた。やはり、ここ一番でドラマを見せてくれるのが競馬というスポーツである。そして、今年、が然注目を集めるのが3月から調教師への転身が決まっている本田騎手だ。「第16回アーリントンC」(GIII 阪神芝1600m 24日)はローレルゲレイロとのコンビで有終の美を狙う。
 2歳王者決定戦・朝日杯FS2着をはじめ、重賞でのトータル実績は<0310>。管理するローレルゲレイロを昆師は「何かもうひとつ足りない」と評す。確かに形の上ではオープン馬でも勝利はわずかに1つのみ。最強の1勝馬…今にもこう揶揄(やゆ)する声が聞こえてきそうだが、世代トップクラスとの競馬でも崩れないのは能力なくしてはできない芸当。指揮官が苦笑混じりに話すのも、愛馬の力を熟知しているからこそなのだ。
 前走のシンザン記念にしても、不利を考慮すれば3着は立派だった。他馬に外から“フタ”をされ、動くに動けない状態。これが尾を引き仕掛けのタイミングが遅れてしまったが、それでも上がり3Fのタイムは33秒7だ。アドマイヤオーラの強さが際立つ一方で、きっちり「能力の片りんは見せていた」と師は振り返る。
 「まあ、あれだけ厳しい状況に置かれてしまったから。斤量を背負っていたこと、展開が不向きだったことを考えればよく頑張っている」
 確かにオーラからは離されてしまったが、ゲレイロ57kgに対し、相手は56kgと1kgの“ハンデ”があったのも事実。展開面の不利を加味すれば決して悲観することはない。
 前走後は今後の矛先としてクラシック路線を自重。昆師は「NHKマイルCを目標に」する決断を下した。そのためにも、本番までにマイル重賞の1つは手にしてハクをつけたいところである。
 中間は課題の詰めの甘さを解消するため、終いを重点に置いたケイコが中心。3週前からは本田騎手が手綱を取り、3週前がラスト1F11秒9、2週前は同11秒5、そして1週前追い切りでは6F81秒2→65秒6→51秒3→37秒9→12秒4(すべてDW)と意欲的に乗り込まれている。
 「順調。今は何もいうことない。前走は全力を出し切れなかったこともあって、レース後もケロッとしていたからね。このままいけば、いい状態でレースが迎えられる」
 納得顔で話す師の表情からも、さらなる上昇カーブを描いていることが手に取るように伝わってくる。
 「阪神は初だって?今は折り合いにも進境を見せているから心配はしていないよ。とにかく、この馬を育てたのは本田。勝っても負けても悔いのないように乗ってもらいたいね」
 当の本田騎手も「騎手に未練はないが、今週で最後。しっかりと乗りたい」と自身の集大成をかけ、完全燃焼宣言だ。果たして“孤高のベテラン”は最終週にどんな競馬を見せてくれるのか。その一挙手一投足に注目だ。

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