逮捕されたのは東京都八王子市在住の女(30)。昨年10月、当時居住していた神奈川県川崎市内のマンションで生後一か月だった長男に対し、口と鼻をふさぐ、複数回叩くなどして暴行を加えるなど虐待していた。
日常的に暴行していた模様で、長男は今年1月に救急搬送され、2月14日死亡。その際、長男に慢性硬膜下血腫などがあったため、児童相談所経由で警察に通報が入り、事態が発覚した。
警察が捜査すると、女の自宅から長男を暴行する動画が発見される。警察の取り調べに対し女は黙秘しており、動機については不明だが、動画を撮影したということになると、その様子を楽しんでいた可能性も否定できない。
女は当時39歳の夫と長女と暮らしており、相談できる相手もいた様子。なぜこのような凶行に出たのか実に不可解である。ただし、一部には「育児に悩んでいた」と話しているとの情報もあり、夫が育児に協力せず、「子育てに悩んでいたのでは」「産後鬱だったのでは」という声も上がっている。
またも発生した親による幼い子供への虐待事件に、「動画を撮影するなんてありえない。産後鬱であるはずがない」「動画を撮影しているのはおかしい」「愉快犯だとしか思えない」「自分の子供に暴行できる神経がわからない」と怒りの声が並んだ。
親による虐待事件は全国で発生しているが、なかなか減っていないのが現状だ。その理由の1つとして、産後鬱や子育てによるノイローゼ状態など、母親が精神的なバランスを崩してしまう事が挙げられている。
もちろん、それでもほとんどの母親は子供への愛や配偶者や親との連携で精神的なバランスを保ちながら子育てに励んでいる。それが暴行を正当化する理由にはなりえない。しかし、子育てに悩む母親を十分にケアできていないという現状もまた事実だ。
家庭内の問題だけになかなか表に出にくく、監視の目が行き届かない。また、子供が小さい場合逃げる、児童相談所に相談するなどを自ら行うことは難しく、減らすことができない現状がある。
少子化が進む中で、子供が親によって殺されるのは大問題。早急に対策を講じて欲しい。
文 櫻井哲夫