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夜を棄てたキャバ嬢たちVol.11 〜泥酔後、醜態を晒してしまった真美〜

 キャバクラはお酒を飲みながら会話を楽しむ場所である。しかし働いている女性の中にはお酒を飲めないキャバクラ嬢もたくさん存在する。真美(仮名・22歳)もまた酒を飲むのが苦手なキャバ嬢だった。

 「一口も飲めないというわけではないんです。でも飲むとすぐに顔が赤くなったり、フラフラとしてしまうので普段、飲みの席ではカクテルなど弱いものばかり。強いお酒は飲むことがありませんでした」

 キャバ嬢だけでなく客もまたお酒を飲めない体質ながらも女の子と楽しい時間を過ごすために来店する場合もあるようだ。しかし働く女性側は客からの酒を断ることが難しい。ある日、真美の店に会社を経営する男が部下を引き連れて来店した。しばらくして社長達はキャバ嬢を場内指名した。

 「私は呼ばれることはないだろうと思っていたら、少しして席に付くことになったんです。その時、とにかく社長にお酒を勧められて…。気に入られたい一心でいつもは飲まない強いお酒も飲みまくったんです」

 今後も社長に指名されたかった真美は酒の勧めを一切断らず、飲めないウイスキーや焼酎を浴びるように飲んだ。しかしそれが悪夢の始まりだった。真美は意識を失い泥酔。気がつくと時間は朝方の4時を指していた。意識を取り戻した真美は下半身の違和感に気付く。なんと酒に酔いつぶれたことで失禁してしまっていたのだ。そのため煌びやかなピンク色のドレスはお尻のあたりから水分で染みができており、失禁したことは周りから見てもわかる状態に。そして真美は店の後片付けで居残っていたボーイに事情を聞き、愕然とする。

 「あの日、あまりに酔っ払ってしまった私は閉店間際、ボーイに客の席から離されると、カウンター席へ倒れこんだそうなんです。一番最初に私の失禁に気付いたのは社長達みたいで。彼らは帰り際、私の濡れたドレスを見て笑いながら帰っていったそうです…今、考えても本当に恥ずかしいですね」

 醜態を晒してしまった真美は、もう二度とあの日いた客と顔を合わせたくないと考え、すぐ店をやめた。今は酒とは関係ない服の販売員を都内でしているそうだ。

(文・佐々木英造)

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