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北九州記念 “韋駄天娘”アストンマーチャンがいよいよ始動

 狙いすました復活だ。最強スプリンターを目指してアストンマーチャンが「第42回北九州記念」(GIII 芝1200m 8月12日)で主役を張る。桜花賞の後はじっくり充電。1週前追い切りで51秒1をマークするなど、いきなりかっ飛ばす態勢が整っている。
 たくましい胸前。褐色の皮膚に包み込まれたトモの張りもまるで男馬のようだ。桜花賞から4カ月。アストンマーチャンがさらにスケールアップして帰ってきた。
 「7月上旬に栗東に戻ってきた。しっかり乗り込んでいるよ」と石坂師は満足げだ。1日に坂路で行われた1週前。まだ余分な脂肪も残る体つきながら、800m51秒1→37秒1→12秒5の超速時計をマークした。2歳時から際立っていたそのスピードにさらに磨きがかかった印象だ。
 桜花賞は自身の限界に挑む舞台だった。「牝馬にとって一生に一度の晴れ舞台」と距離が長いのを承知で出走。7着とダイワスカーレット、ウオッカの後塵を拝した。
 しかし裏を返せば、スプリンターとして強烈な矜持を見せつけた結果ともいえる。道中は折り合い名人の武豊を持ってしても、なだめ切れない強烈な意志と速さを発揮。
 石坂師は「本質的には1400mまでのスプリンター」と話し、上田助手も「昨年の小倉2歳Sでテンの3Fを32秒5でいった。抑えながら古馬GI級のラップを刻むんだから、当時からスプリンターの資質は相当高いと思っていた」と証言した。
 今回の小倉1200mはその2歳Sと同じ設定。復活を印象付けるにはこれ以上ない条件だ。
 「ここでいい結果を出してセントウルS、スプリンターズSに向かいたい」。かつてダイタクヤマトを育てた石坂師は秋を見据えた。
 もう迷うことはない。自分のスピードをひたすら信じて、飛ばすだけでいい。

 【最終追いVTR】1週前に坂路で51秒1をマーク。すでに体はできあがっているだけに、今朝は馬なりで軽く反応を確かめられただけ。それでも、時計以上のスピード感で牝馬らしい軽快さ。馬体も引き締まっていて力を出せる状態だ。

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