ちなみに「わかば」は 2010年10月に行なわれた値上げ以前は190円であったのだが、値上がりした現在においても250円である。なんと、値上がり前の300円を割るのだ。
しかし、その味たるやさすがに等級が下がるだけあって、今まで300円クラスの煙草を吸ってきた愛煙家にとっては味のほうはなかなか厳しいようだ。
煙草の値上がりに際して、「わかば」を買うようになったヘビースモーカー作家のHさんにお話を伺ったところこんな提案があった。
「旧三級品の煙草と現在の煙草の間をとって、300円台の煙草を復活させることは出来ないんですかね。やはり410円は経済的に厳しいです。かといい、旧三級品の味は価格相応と言うか正直不味いです。例えばなんですけど、普通のたばこに使われる上葉とわかばなどに使われている下葉の中間をとったブレンドをすれば300円の煙草が復活できると思うんですがどうでしょう?」
なるほど、もしこれが実現できれば愛煙家にとっては朗報である。そこで、煙草の価格と税制についてざっと調べてみたのだが、Hさんの提案を実現するのは難しそうである。
煙草の価格を決定する要因の一つが、原材料の煙草の葉ではあるのだが、「わかば」など極端に安い価格で設定されている「旧三級品」煙草の値段の要因は旧・日本専売公社(現在のJT=日本たばこ産業株式会社となった)が民営化された際に、従来の「製造たばこ定価法が」廃止。同時に原材料によって価格のランク分けがなされていた煙草の等級も廃止された。
「わかば」や「エコー」は旧法時代に一級から三級まで分類される煙草のなかで、“最下級の三級”に該当する煙草で、その名残から現在も「旧三級品」という分類で呼ばれているのだ。
一級品と二級品は統合されるに至ったが、三級品は高齢者などが安く購入できるように国が配慮し、たばこ税の課税が他と比べ圧倒的に優遇されている。
Hさんの提案が叶い、三級品たばこの葉と一級品&二級品の葉をブレンドした「中間ブランド銘柄」が生まれる為には、税制が先ず変わらなくては難しいのが現状であるようだ。